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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年08月29日(金) アンビバレントな気持ち 小雨の降るなか、高速バスのバス停駐車場に車を入れようとしたら、整理券発券機に「新宿行き運休中」という張り紙がしてありました。待合い室内の切符売り場で事情を聞くと、昨夜からの雨の影響で山梨県内東部の高速道路が通行止めになっており、復旧の見通しは不明だと言います。
JRの特急も運休中と聞いたのですが、念のため駅まで行ってみることにしました。みどりの窓口の前に、午前中の全便が運休という知らせが張り出してあったので、すごすご自宅へ帰ることにしました。
カウンセラー宛に行けない事情をFAXで送信し、布団を引きなおして二度寝することにしました。起きてみると、既にお昼過ぎでした。
さて、人の心には「変わりたい」という心と「変わりたくない」という心が同居しています。例えば、禁煙したい気持ちと、やっぱり禁煙したくない気持ちが両方あるものです。
禁煙すればいろいろ良いことがあるのは分かっています。健康になるとか、ご飯がおいしくなるとか、女房の機嫌が良くなるとか、タバコ代が他のいろいろ楽しいことに回せるようになるとかね。一方、禁煙にもデメリットがあると感じているはずです。イライラするとか、太るんじゃないかとか。
変わるデメリットよりメリットのほうが大きく感じられたとき、人は変わろうと努力を始めます。
しかし、単純にメリット>デメリットだけで人の行動が決定されるわけでもありません。「自分は変わることができる」というある程度の自信がなければ、人は変わる努力を始めようとしません。何度も禁煙に失敗している人は、また今度もダメじゃないかと諦めてしまいます。そういう状態の人に禁煙を説いてみても、意固地にさせてしまうのが関の山で、「タバコを吸うメリットの大きさ」を力説されたり、「タバコは自分には何の害もない」とか否認が始まったりします。
この状態を打破するには、「自分は変われる」という自信が必要です。たとえば、断酒に何度も失敗している人も、断酒会で自分より重症な人が立派に断酒している姿を見れば、自分もやればできるかもと思ってくれるかも知れません。過去にはいろんな苦境を努力して乗り越えてきた体験だって持っているはずですから。
単にサッカーが好きだというよりも、自分も将来Jリーガーになれるかもという期待のほうが、大きな動機付けになるのもこれで説明できます。
禁煙とか断酒だけでなく、カロリーコントロールとか昼夜逆転とか、借金返済などなど、何でも自分の抱えている問題に当てはめてみれば、変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちの両方があることに気づくはずです。
たぶんこれもカウンセラーの仕事の一つでしょうね。
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