心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年08月26日(火) タバコの底つき

禁煙についての経緯は http://www.ieji.org/stories/ragi-006.html に書きました。

禁煙したとき、ニコチン依存が「底をつき」していたのかどうか。
あまり考えたことはなかったのですが、今から冷静に振り返ると、底つきしていましたね。

当時の僕はセブンスターを1日25本ぐらい吸っていました。本当は30本以上吸いたかったのですが、本数を減らそうと努力していたのです。職場は禁煙になり、喫煙所に行かないと吸えなくなってましたが、それ以前に自分の机で吸えた頃は、パソコンのモニターを見ながら無意識のうちにタバコに火をつけるので、灰皿にタバコを置こうとすると、すでにそこには自分で火をつけて忘れたタバコが2本煙を上げている・・という状態でした(仕方ないので3本まとめて吸う)。

仕事で地元の精密工業の工場に入ったときです。クリーンルームという塵の少ない環境にしていますから、出入りするには更衣室で防塵服という全身着を上から着ないといけません。慣れないから来たり脱いだりに5分ぐらいかかります。さらに工場の最深部から喫煙所まで、歩いて10分ぐらいかかったりします。すると合計15分。往復すると30分。タバコ一本吸うためにこれだけの時間が無駄になります。
タバコ休憩しちゃいけないというルールはなかったのですが、午後に3回も吸いに行けば、作業の中断が多くて周りの人もうんざり顔です。でも、こちらはニコチンの渇望現象に体が支配されているので、我慢しているとイライラして仕事になりません。

県外の半導体工場だと、タバコ吸ったら10分は入室禁止というところもありました。呼気中に含まれるタバコの粒子がいけないんだそうです。ちなみに女性は化粧禁止でした。いくら顔をマスクで覆っても、隙間から化粧の粉がこぼれ落ちたのではクリーンルームになりません。だから朝はすっぴんにクリームだけ塗ってきて、夕方終業後に更衣室で化粧して帰るのだそうです。これじゃランチデートができませんね。余計な心配か。
男性も化粧の下地クリームを顔にまんべんなく塗らされました。顔の皮膚がはがれ落ちて塵になるのを防ぐためです。クリームは香料と着色料を抜いたものを化粧品会社に特注しているんだとか。
話がそれました。

自動車工場はクリーンじゃありませんでしたが、広くて喫煙所がやたら遠かった。

仕事はそれなりにしているつもりでしたが、僕のタバコの評判は悪く、それが仕事の評価にまで及んできました。タバコ代に1万円近く使うので、肝心なときに金がなかったりしました。タバコのせいでずいぶん情けない思いをしていたのです。

タバコの底つきは、アルコールのどん底ほどじゃなかったけれど、あのとき確かに僕はタバコで底をついていたのだと思います。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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