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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年07月27日(日) 幻聴幻覚(その2) 金曜日はうだるような暑さの中、東京のカウンセラーのところへ行ってきました。新宿のヨドバシに寄ってマウスをひとつ買うはずが、なぜか高性能なCPUクーラーを抱えて帰ってきたのでありました。そのせいで、久しぶりに窓の外が明るくなるまで夜更かししてしまいました。
土曜日は休日出勤。はっきり言って、僕の仕事の半分以上は、残業と休日出勤の時にできあがっていきます。電話がかかってきて集中を破られることがありませんので。そしてAA会場前を素通りして帰るわけにもいかないので、ミーティングに出席しました。会場は湖の畔にあり、夏になると毎晩8時半に花火が上がります。ただこの日は大変な雷の晩でした。人工による花火の光と音よりも、天然の雷のほうがずっと迫力がありました。とは言え、花火大会ではなく雷大会を開いても観光振興の役には立たないでしょうね。
帰りの峠はひどい天候で、ひさしぶりに四輪駆動車をありがたく思いました。
はてさて、日当たりの良いワンルームは、夏場は気温が上がります。僕が不在の間はエアコンが稼働していないわけで、おそらく室温は体温を超えているでしょう。金曜の晩、お風呂の残り湯を捨てずにおいのですが、土曜日帰宅したらその水ががまだ暖かくて「そのまま入れそうなぐらい」でした。実際そのまま入浴してしまいました。少しはお湯を足しましたけど。
そんなわけで、家でもエアコン、車で移動中もエアコン、職場ももちろんエアコン。となると一番暑いのはミーティング会場です。僕はエコロジカルな人ではないようです。(でもひとつのお湯に二晩入ったぞ、と)。
で、譫妄(せんもう)の話の続きです。
僕が20代の頃、アパートの僕の階下に越してきた女子高生には、彼氏がいました。その彼氏が土曜日になると泊まりに来るのです。若い二人を密室におけば、やることはひとつであります。木造モルタル塗りの建物ですから、階を挟んでも防音はよくありません。必然的に僕は、毎週末、あの「男をもんもんとさせずにはおかない声」を聞く羽目になりました。
こちとら仕事も放り出して飲んだくれているアル中です。当然女と付き合っている余裕なんかあるわけがない。それによって「もんもん」は倍加されるわけです。
そのうち「例の声」は明け方にも聞こえるようになりました。高校生カップルはお盛んで、うらやましい限りだと思いました。ところがしばらくすると、その声が平日真っ昼間から聞こえて来るではありませんか。さすがに学校に行っていて不在のハズなのに、なぜ声が聞こえてくるのか。不思議に思うものの、それが度重なるとだんだん腹が立ってきました。昼間はともかく、明け方はうるさいではないか。こちとら24時間飲んだくれているせいで、眠りがとても浅くなっていて小さな音でも目が覚めてしまうのに、明け方にあんな声を出されたのでは、たまったものじゃない。非常識である・・
というわけで、僕は明け方にその声が聞こえてくると、1階に降りていって、ドアをゴンゴン蹴りながら「うるせーぞ!非常識じゃねーか」と怒鳴っていたのです。
(相手が女だとわかっていると、こういうことができちゃうんだよね)
うるさいのも、非常識なのも僕のほうです。階下の住民にしたらたまったものではないでしょう。上で飲んだくれているアル中が、明け方になるとドアをけりに来るのですから。彼女のトラウマになってしまったかもしれません。
それがアル中の嫉妬妄想に誘発された幻聴だと気がつくのは、もっと後のことです。あの一家は、今頃どこでどのように暮らしているのでしょう。迷惑かけて申し訳なかったと今は心から思うのです。
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