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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年07月04日(金) 選曲 アポロ(ポルノグラフィティ)/空と君とのあいだには(中島みゆき)/Groovy!(広瀬香美)/Jupiter(平原綾香)/そばにいるね(青山テルマ)/家に帰ろう〜My sweet home(竹内まりや)/アゲハ蝶(ポルノグラフィティ→リタイヤ・・マイク入ってなかった?)/年下の男の子(キャンディーズ・・これもマイク入ってない)/恋のダウンロード(仲間由紀恵 with ダウンローズ)/DEAR...again(広瀬香美)
お疲れ様でした。
AAの共同創始者であるビル・Wとドクター・ボブ、この二人の書いた文章は、ほかのAAメンバーの書いた文章とは違う「特別なもの」として扱われています。例えば英語以外の言語に翻訳するときには、ほかより慎重にチェックが行われる・・という具合です。
ビルの著作はたくさんありますが、主だった本はビッグブック、12&12、『AA成年に達する』、『ビルはこう思う』でしょうか。ビッグブックは当時の40人のAAメンバーの考えが反映されているものですが、書いたのはビルであり、ビルが(彼の死後は遺族が)印税を受け取っています。
ビッグブックが1939年、12&12が1953年、成年に達するが1957年、ビルはこう思うは1967年。その4年後にビルが没して、彼の著作は増えなくなりました。そして、ドクター・ボブが書いた本というのを僕は知りません。僕はこの4冊は特別重要な4冊だと考えています。
この二人が「AAメンバーではなかった」と言われるほどに特別視されていたのには、僕は二つ理由があると思います。まず、最初の20年間のAAの急成長は、この二人のリーダーシップなしにはあり得なかったことでしょう。それほどまでに二人の能力は傑出しており、それがあったからこそ(似たようなほかの団体と違って)AAが分解も分裂もせずに成長できたのでしょう。
もう一つは、この二人を特別視することによって、ほかのメンバー全員が「特別視されない=無名でいられる」という効果があったということです。ほかのメンバーは、この二人のメッセージをコピーする役割だったという位置づけです(だから特別でない)。
日本でも、M神父とP神父という二人を特別視することで、他のメンバーの無名性を保つ効果が得られていたのではないでしょうか。こちらの二人も能力の高い人たちであったのは疑いないところですが、日本のAAがこの二人の特別視を続けることは良くないことだと思います。だって、二人とも(アメリカから日本に)メッセージを運ぶという役割を果たした「特別でない」メンバーだったのですから。
ビッグブックの翻訳はもう直さないことになっていますが、誤訳の訂正は可能です。この際ですから、徹底的に誤訳を直した改訂版を出すべきだと思います。そして新しい版が出るときには、後半の個人の物語も時代に合わせて入れ替えられて当然だと思います。
入れ替えるとなれば、古い物語のなかには外されるものもあるわけです。そして僕は「ピーター神父の物語」を外すこともアリだと思います。個人的にはとても気に入っているストーリーですし、無理に外せと言うわけじゃありませんが、でも外してもかまわないと思います。
もちろん、AAの外で二人がどんな評価をされるかは別の話です。AAの外部の団体が、その施設の名前に二人の名前を冠して功績をたたえることについて、僕は口を挟むつもりもありません。苦労されたのだから、それぐらい顕彰されてもいいかと思いますけどね。
でもAAでは別ですよ。
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