心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年01月28日(月) ブラックアウト

ブラックアウトと言う言葉は、もともとは世界大戦中に空襲から町を守るために行った灯火管制が語源だそうです。きっと真っ暗になるという意味だったのでしょう。だから、劇や映画の場面転換時に暗くなるのもブラックアウトと呼ばれます。暗くなるのはなにも光だけじゃなく、飛行機乗りが強すぎる加速度を下向きに受けると、血液が下半身に集まってしまい目の前が真っ暗になるのもブラックアウトと呼ぶのだそうです。

アルコール性ブラックアウトというのは、酒を飲んだ事による一時的な記憶喪失(健忘)です。飲み過ぎた翌朝に、前の晩のことを憶えていなくて青ざめたことがありませんか?

みんなで宴会をしたときに、飲み過ぎてつぶれてしまい、机に突っ伏して寝ているヤツがいます。こういう人が翌朝になって、前の晩のことを途中までしか憶えていないのは当然です。だって途中から意識を失って(寝て)いたのですから、憶えているわけがありません。意識を失っていなくても、泥酔してもうろうとしていれば、記憶に障害があっても不思議じゃありません。

そうではなく、回りの人から見れば、ちゃんと最後まで意識があったのに、翌日に本人が一部か全部を思い出せないことがあれば、それがブラックアウトです。

アルコール依存症の人でなくても、大酒飲みが大酒を飲んだ晩にブラックアウトを経験することもありますが、それはまれな話です。ところが、アルコール依存症の人は、ブラックアウトの経験を豊富に持っています。その経験に「単に途中で寝たので以降憶えていない」経験を足しあわせば、アル中は本当に記憶喪失が得意技だとわかります。

依存症になりかけの頃は、まだ酒量も多くなく、人と飲んでいるときに泥酔することもまずありません。その頃に、相手から見れば「昨日の晩は酒の量も多くなく、きちんと話もできていた人」が翌日記憶が飛んでいるという経験をします。このブラックアウトは、「依存症への境界線をまたぎ越えた証拠」だとか、「いずれ依存症になる人とならない人を区別する症状」だとか言われます。

本当はどうなのか知りませんが、ブラックアウトを体験したらお酒をやめるのが最善だと思います。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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