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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年01月23日(水) ビッグフットのさらに続き そもそもビッグブックの解説本(スタディ・ガイド)とか、ワークブックとか、スクリプトとか、誰が書くものなのでしょうか。
アメリカ・カナダの常任理事会は、そのことに明確な方針を表明しています。
・その種の本を理事会が作ってGSOが売れと言うなら拒否したい。
・AA外部の人がその種の本を作ることは認めない。
・AAメンバーが書いてAAメンバーが使うのは賛成も反対もしない。
海の向こうには「俺の理解したステップを伝えてやるぜ」という熱意を持ったツワモノが多いのでしょうか。その種の本もたくさんあるようで、ネットで検索すればいくつか見つかりますし、無償で公開されているものもあります。「心の家路」で紹介しているジョー・マキューの著作も、あくまで「AAメンバーとして、AAメンバーに伝えるために」書かれたもののひとつですね。
さて、B2Bを使っていた人たちは、ワリー・Pの著作を訳して使うことが難しいのなら、いっそのこと自分たちで書いてしまったらどうだろうか、というアイデアが浮かんだのだそうです。そのアイデアが形になって、日本で初めて作られたスクリプトが「ビッグフット」です。日本のメンバーによって作られたと言うことが、僕としては画期的に思えます。
フットというのは「足」のことです。どうせステップの最初の一歩を踏み出すのなら「大きな一歩」を踏み出して欲しい、という思いがビッグフットという名前にこめられているのだそうです。なので、ロッキー山脈の大足巨人とも、ヒマラヤのイエティとも関係がありません。
良く誤解されるのですが、僕はビッグフットの著作にはまったく関わっていません。ただビッグブックのやり方全般を advocate(擁護)するなかに、ビッグフットも含まれているだけです。延々と毎月繰り返されるBFミーティングにも一度も出たことがありません。
ひとつ確信していることは、それまでのAAには足りないものがあったからこそ、ビッグフットによってそれを補おうという人たちが現れた事実です。
ビッグフットを好ましく思っていない(ほとんど敵視している)AAメンバーが居ます。それはその人の自由ですから僕がとやかく言うことではありません。けれど、反対者の意見ばかりが大きくなっていって、ビッグフットがAAから排除されてしまうのは好ましくないと思っています。
向こうの理事会は「個々のAAメンバーのステップの伝え方に、賛成も反対もできるわけがないじゃないか」というサービスの原則に沿った良心を示しているわけです。
ただ一方の声が大きければ、ときどきその原則が壊れてしまうのも経験していますから、ビッグフット関係者以外にそれを擁護する人間が少し居てもいいだろう、と思ってその立場を取っているわけです。スクリプト・ミーティングが存在する余地のない、不寛容なAAになってしまうことが、一番恐ろしいと思っています。
で、この文章は、そうした全体的視野とは関係なく、個人的にビッグフット・フォーマットに対してどんな感想を持っているかを書きたくて始めたのですが、ずいぶん長くなってしまいました。
(さらに続く)
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