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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年01月21日(月) ビッグフット ビッグフットとは、アメリカのロッキー山脈一帯に生存すると言われる身長3メートル全身毛むくじゃらの巨人の一族です。UFOを目撃した人に限って写真を撮るのが下手でどれもピンぼけだったり、宇宙人に会った人に限って絵が下手だったりするわけですが、その原則はビッグフットにも当てはまります。
という話じゃないですね。
ビッグフットというのは、いわゆるスクリプト・ミーティングのひとつです。ビッグブックを下敷きにした台本(スクリプト)を用意し、それを読むのがミーティングの中心です。ビッグフットでは4回のミーティングでステップ1〜12までを一通り体験することになっています。
僕が体験した一泊二日のセッションでは読むだけでなく、祈りや黙想、棚卸表への記入、埋め合わせの計画作りなどもしましたが、なにぶん4回のミーティングという限られた時間の中ですから、深いところまで掘り起こすのは難しいことです。
スクリプト・ミーティングの源流は、六十数年前のアメリカ、クリーブランドにまで遡ります。地元の新聞がAAの事を取り上げたのが発端となり、クリーブランドのAAにたくさんのアルコホーリクが寄ってきました。ところがそれを受け入れる地元のAAグループはまだ小さなものでした。しかも、12ステップはスポンサーからスポンシーへ一対一に渡されるのが基本でした。
結果として、多くのビギナーがスポンサーにありつけない状態になりました。窮余の策として、教室形式でビギナーを生徒役に、経験者を先生役にして、ステップを「教える」ことをし、一対多の伝達を試みました。教科書には出版されたばかりのビッグブックが使われました。
これがうまく行って、クリーブランドのAAは爆発的な成長を遂げました。そのおかげでAAはクリーブランドで始まったと思っていた人も多かったようです。
その後のAAで、こうした形式が主流になることはなかったのですが、その経験をスクリプトに集約して使うやり方は受け継がれてきました。
(続きます)
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