心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年01月14日(月) no but

代々木の東京ステップセミナーの人数は、僕が会場にいたときには200人弱。四谷のビッグブックの集いのほうは、僕が会場に顔を出した頃は60人あまりでした。カウンターもって数えたわけじゃないですけど。

人に挨拶すると「ああ、あのネットの・・」と言われることが多くなりました。どうやら僕はちょっと「有名な」AAメンバーになってしまったようです。この好ましいとは言えない状態を解消するひとつの手段は、ネット活動をやめることです。
もう一つ、リアルなAAとネットで使う名前を変える手段もありますが、そうやって同定を避けるのは僕に似つかわしくない感じがします。メディア上とリアルライフで同定されてはいけない、とは伝統にはないからいいのかな。どんなもんでしょう。

さて、人は皆違うものであります。工業製品じゃないですから。

100人のAAメンバーを集めて、その全員に共通することを探したら、何が見つかるでしょう。全員人間であること。同じ時代に生きていること、などなど。違いを探した方がいっぱい見つかりますね。職業、年齢、性別、信条、国籍・・・。

重要なひとつの一致点は、全員が「アルコールに対して無力」であることです。ほうっておけば、アルコールのなすがままで、人生めちゃくちゃ、ってのが無力です。

逆に言えば、この大切な一致点を探さなくて、他に何を探すんでしょう。「あいつほど俺は酷くない、軽症だ」と言って安心するのも、「俺はあいつほど恵まれないから酒がやめられない」と絶望するのも、どっちも違うでしょう。

集まってやっていくためには共感が必要です。でも無力について共感できなければ、AAの中に留まり続けるのは、難しいことです。無力じゃなければ、その人にはAAが要らないことになりますから。
が、多くの人はこう言うのです。

「それは分かります。でも(but)・・・」


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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