心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年01月03日(木) 飲んでた頃の話をしようぜ

初詣に行って、おみくじを買いました引きました。
今年は「おおきち」です。上の子は「こきち」で、下の子は「まっきち」でした。パパは嘘ばかり教えるから全然信じてくれません。

待人:さわりあり来たらず
失物:出がたし下にあり
恋愛:将来幸福になる
病気:信神すれば治る

何年経っても「どのように酷く酒を飲んできたか」という飲んでいた頃の話は大切です。なぜならそれが基礎だからです。

年月の経過と共に、飲んでいた頃の悲惨な記憶は薄れていってしまうものです(スリップして更新しない限りはね)。だからといって、問題が解決したわけではありません。酒に対する用心深さがなくなったぶん、危なくなっているとも言えます。

いかに自分が酒をやめられなかったか=自分がいかに酒に無力だったか、です。

飲んでいた頃の話ができなくなっていくのは、だんだんアルコールに無力でなくなっていく過程です。やめ始めの頃は皆が真剣ですが、体や心や生活が楽になっていくと、無力であるという実感も薄れてしまうものです。要するにステップ1が抜けていってしまうのです。

ステップ1は人を回復させないと言います。それは「酒に対して無力」という大問題を抱えている現実を知るだけの話で、なにも解決していません。解決はその先のステップが与えてくれます。逆に言えば、ステップ1は、その先のステップをやるための「動機」を作ってくれるのです。

その先のステップができない理由には、おそらく二つの理由が考えられます。ひとつは単にステップに慣れていないという場合。もう一つは、ステップをする動機がない場合=ステップ1が抜けてしまった場合です。

ミーティングで飲んでいた頃の話しかしない人もいます。けれど、何年もするうちには不思議といろんな部分が回復しているように見受けられます。一方、飲んでいた頃の話ができない人には「何年経ってもアル中の否認は頑固だなぁ」という評価にしかなりようがありません。

苦しんでいなければステップをやる動機がありません。あの時ステップ1が入ったような気がしていたのは、実は体も心も生活も苦しかったから、無力になったような気がしただけです。それが証拠に、いろいろが楽になってしまった今は、飲んでいた過去のことなど思い出さずに日々を過ごしてしまってますから。

そんなことよりミーティングではもっと別の話がしたい・・ていう気持ちも分かりますが、ミーティング以外でそういう話ができる人間関係を築くぐらい回復しろよ、と言いたいですね。たくさんの人に聞いてもらわないと気が済まない、っていう心の問題も解決しましょう。

年数が経ってからステップ1をやるのは大変です。ステップをサボる癖だけはしっかりついちゃっていて。

いかに自分が酒をやめられなかったか=今も自分がいかに酒に無力「である」か。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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