心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年12月09日(日) 恵まれている

「恵み」という話とちょっと違って、「恵まれている」という話。

僕が初めてAAのミーティングに出たのは、勤務先がある市内のクリニックの3階でした。それはAAグループのないその地方のために、県内の他の地方のメンバーが月1回やっていた「出前ミーティング」でした。

住んでいたのは車で二十数キロ離れた田舎町で、そちらでは仕事がなかったので、ほぼ1時間かけて自動車通勤していました。だから家の近くにAAミーティングがあったわけでもありません。けれど、通い慣れた街にあっただけでも助かりました。
その出前ミーティングをやっていた人に、うちのグループへおいでよと誘われて行ったのが最初のホームグループでした。自動車免許を取ってようやく初心者マークがとれた僕が、地図を片手に峠を越えて見知らぬ街へ行ったのでした。自宅から50〜60キロぐらいでしたでしょうか。夕方に仕事が終わったらAAに行き、帰りは高速道路を使っても帰宅が10時過ぎ。夕食を食べるのが11時ころでした。
当時は一週間に一回それをやるだけでも、ずいぶんしんどく感じられました。
でも「恵まれていた」んですね。行けるところに会場があったのですから。それでも遠いと文句を言っていたら、じゃあ自分ちの近くに自分で会場を作りなさいと言われました。自給自足であります。作りなさいと言われること自体が「恵まれていた」と思います。

通っているうちにKさんという人が現れました。その人は、僕の初めてのホームグループ(諏訪)が出来る前からAAにいた人でした。住んでいたのは伊那のあたり。そこから、当時県内にあったAA会場へ通ったのだそうです。更埴、上田、小諸、佐久。高速は金がかかるから国道で。仕事もしながら大変だったでしょうと訪ねると、だってそれしかなかったんだから、と笑っておられました。

また別に、メールで伺った話ですが、一番近いAA会場まで特急電車で2時間という環境の人もいるわけです。それでもあるだけ「恵まれている」んでしょうね。

まあ、普通に恵まれているだけではだめで、仕事も家族も失って、施設へ行って1日3回のミーティングという「チョー恵まれた環境」でないと回復できない人もいるわけですけど。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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