心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年09月09日(日) 一人では気づけないかも

AAミーティングにやってきた頃、僕は「酒の飲み方がひどくなったのは、ここ1〜2年のことだ」と言っていました。実際には10年以上アル中ライフを送ってきたのですが、そのころの自覚は「悪くなったのはここ1〜2年」という感じ方でした。

それももっともな話で、それ以前には僕の酒の飲み方を、毎日とがめる人はいなかったのです。いつも体調が最悪で、飲んだ酒ですらゲロゲロ吐いている状態でも、それは単に酒を飲んだ結果だという言い訳が成り立ちました。酒は好きで飲んできたのだし、ひどい生活ではあったけれど、サラ金にも手を出さずに生活費を工面してこれたという自負もありました。

それでも行き詰まって、自殺未遂を機に実家に戻り、精神病院への通院、入院、依存症という診断、と1〜2年でドタバタ進んでいきました。

そうなると、いままで詳しいことを知らずにいた良心も、なんとか僕の酒をコントロールしようと、口やかましくもなりましたし、酒の匂いがしないかチェックしたり、持ち物検査をしたりと、いろいろ小うるさいことを始めました。

飲むのをとがめられるようになって、初めて「飲み方がひどくなった」と認識できたわけで、一人で飲み続けていたら、なかなか気づかなかったでしょう。家族がいても、飲むのをとがめられなかったら、同じように気がつかないと思います。

家族がとやかく言ったから病気が進行したのではなく、ずいぶん前に病気になっていたのに、自覚がなかった(病識がなかった)だけの話です。ずいぶん前からアルコールに対して無力だったのに、認めてこなかっただけの話でもありますね。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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