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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年08月15日(水) 酒の席に出ることについて 結局の所、私たちは酒があふれかえっている世の中を生きて行かなくちゃならないのであります。いつの間にか、コンビニやスーパーで酒を売るのが当たり前の世の中になっています。生きていれば、ビールのCMを見てしまったり、誰かが飲んでいるところに出くわしたり、はたまた酒の席へ招かれたりします。
大なり小なり酒の誘惑はあって、それに対処できないのは、十分病気から回復していないからです(AA用語で言えば、霊的な状態をきちんと維持できていないのです)。
だからと言って、目の前に冷えたビールのグラスを置いて、自分がどれほど意志が強いか試してみるのは無謀というものです。無事に切り抜けられたからといって、何の勲章になるわけでもありません。
では、依存症である僕らは、酒がテーブルに出てくる場所には一生近寄れないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。
そこへいく「きちんとした理由」があるなら、パーティでも宴会でもバーでも行けば良いということです。きちんとした理由とは、生きていくうえで必要という意味だと僕は思っています。
そういうところで飲んじゃう人っていうのは、別にそんなとこ行かなくても生きていけるのに、わざわざそこへ行って飲んでいるわけです。飲めば命に関わるかも知れないのに。
「自分は回復が足りないから危険な場所には近寄らない」という方針は、自己の状態、世間の状態それぞれに、正しい認識ができているってことでしょう。これを「正気」と呼ぶのであります。
来月結婚式に呼ばれているとか、職場の忘年会に出ることになったとかで、近い未来に必ずやって来る酒席を、はたして飲まないで切り抜けられるか、不安を語る人がいます。そういう人に対するアドバイスは「そんな先のことよりも、今日一日飲まないことに集中しましょう」だと思います。
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