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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年07月20日(金) アル中は意志が弱いのか 意志が弱くて酒がやめられない、という話は良く聞きます。
アルコール依存症の人は、本当に意志が弱いのでしょうか。
マット・スカダーの一節にこんな文章があります(記憶に頼っているので、文章は正確ではないです)。
「もし、(体調不良の)原因が酒だと分かっていなかったら、私は間違いなく救急車を呼んだだろう」
依存症という病気がひどくなれば、まさに救急車を呼びたくなるような具合の悪さが、毎朝襲ってきます。それでも、布団から身体を引っぺがして仕事に行きます。もし仕事に行けないとなると、その原因は酒であり、酒をやめるか控えるかしなさいと周囲から言われる羽目になるからです。なんとか酒を飲める生活を続けたいという願望が、重病人(?)を日々の活動に向かわせます。なんという意志力の強さでしょう。飲んでいた頃のあの能力を、いま発揮できたなら、きっとインフルエンザの高熱でも普段と同じ生活ができるでしょう。
かように依存症者の意志の力は強いものです。逆に言えば、それだけ意志の力が強い人たちでも、意志の力ではやめ続けられなかったということです。
意志が弱くて酒がやめられないという発言は、実は酒をやめたくない気持ちを、意志の弱さという言い訳でごまかしている場合が多いものです。周囲から「意志が弱い」と言われたりするので、よけいにその口実が使いやすくなります。
あんなに苦しくても頑張って酒を飲み続けてきた、病気の影響とか、単なる意固地と言ってしまえばそれだけなんですけど、意志の強さもあるでしょう。意志の弱い人間なら、依存症になる前に苦しさに負けて酒をやめてしまいますよ。きっと、たぶん。
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