ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年06月11日(月) 住所印 生まれて初めてかかった精神科医は東京のビルの中でした。紹介状を書いてもらって田舎の精神病院にかかりました。
そこの院長先生は「私に任せておけば大丈夫」と言ってくれたので、母は大変感激したのですが、その後2年間僕の方はちっともよくなりませんでした。
じゃ、その先生がヤブかというとそうでもないらしく、定年後我が家のちょっと近くで開業した先生のクリニックは、そこそこ流行っていると聞きます。
いままで都合5人の精神科医に診てもらいましたが、僕を良い方向に導いたのは「私にはキミの病気は治せない」と言ってくれた先生(たち)でした。
いまだに通っているクリニックの先生は「私に出来ることは、話を聞くことと、処方箋や診断書を書くことぐらい」と言います。
たまに医療関係者に言われることですが、病気から良くなった人は、医療の場には顔を出さない。病気がぶり返した人だけが戻ってくる。うまくいかなかった例ばかり見せられていると、徒労感で一杯になることがあるんだそうです。
だから、最近は医者の世話になっていない人も、たまには昔世話になった病院に葉書の一枚ぐらい書いて「飲まずに元気にやっている」と一言知らせるのも、立派な埋め合わせになるんじゃないか、なんて話をAAメンバーとしたことがありました。
話変わって、ずっと昔からあこがれていた「住所印」てのを作りました。
住所印を作るには、まず住所が定まっていないとならず、電話番号とかも変えない予定でなければなりません。その条件が整ったとしても、うかつにはんこ屋に入ると、高額な住所印を売りつけられるという先取りの不安がありました。たとえ「幸運を呼ぶ」印鑑だったとしても、住所印にはそんなに出せません。
先日ネットで住所印1280円というのを見かけました。明瞭会計であります。住所などを知らせ、書体を指定すると、無料でサンプル印字を作ってくれたので、あとは銀行に振り込みをしたら、翌日には定形外で届きました。ペタペタとついて遊んでいたところです。
最後に世話になった病院の先生は、すでに院長に昇進され、昨年AAのイベントでお目にかかったときには、僕の顔も名前も忘れていらっしゃいました。でも、病棟のスタッフやケースワーカー室の中には、僕を覚えていてくれる人もいるでしょうから、たまには葉書の一枚ぐらい書いて、ぺたりと住所印を押してみようかと思います。
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