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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年05月18日(金) 検索エンジン余談 雑記のページには、ニュース検索の結果が表示されています(携帯電話の人には見えないの、ごめんなさい)。
これは、一日に何回か、検索エンジンや新聞社サイトの検索ページを使って「アルコール AND (依存 OR 中毒)」というような条件で検索した結果を表示しています。これはプログラムがやってくれるので、僕が夜中に起き出して更新しているわけじゃありません。
ただ、こちらもコンピュータープログラムですし、相手の検索エンジンだってコンピュータープログラムなので、いろいろと間抜けなことも起こります。たとえば「どこそこの経済は石油に依存している。脱却のためにトウモロコシからできるアルコールを使ったバイオ燃料うんぬん」という経済記事もひっかけてしまいます。薬物中毒といっても、薬物依存だけでなく、毒物の話だったりします。摂食障害の記事でも、拒食過食じゃなくて、固いものが飲み込めないお年寄りの話だったりします。
さて、これからは死体の話なので、そういう話に絶えられない人は読まないでください。
今日も、こんな話が引っかかっています。
死因究明なおざり 変死体解剖 わずか9%
病気以外で死んだ変死体(事故死、自殺、孤独死、原因不明など)は、検視という作業が行われ、犯罪性があれば司法解剖が、死因不明や不自然であれば行政解剖がされます。死体を解剖しちゃうなんて可哀想なのかも知れません。でも、死後の解剖は死んだ人の「最後の権利」です。
犯罪で殺されたのに事故死で片づけられちゃうとか、虐待されたお年寄りが外傷性ショックで死んだのに見落として死因が心不全になっちゃうとか。物言わぬ死体になりはてたからこそ、解剖して死因を探ってあげることが、その人の権利保護になります。
でも、日本の変死体の解剖率は数%にとどまっています。欧米では半分以上解剖されるのにです。
僕の好きな小説にパトリシア・コーンウェルの「検屍官ケイ・スカーペッタ」シリーズがあります。彼女はバージニア州の検屍官局長で、死体に関しては警察と同等以上の権限を持っています。そして検屍で得た情報を元に、冷酷な殺人犯を追いつめていったりするのが話の本筋です。サイドストーリィとして、キャリアウーマンである彼女の不適切な恋愛だとか、幼児期のトラウマだとか、彼女に思いを寄せる黒人警察官とか、FBIの捜査官とかあります。
書かれた時期が、FBI心理捜査官とか「羊たちの沈黙」の時期だったので、そういう犯人が多いこともあり、おもしろいんですが、人にはなかなか勧められないシリーズです。そして主人公ケイの、ひたすら解剖に明け暮れる日々も書かれています。
バージニア州都リッチモンドは人口わずか20万人なのに、ケイが訪れる教会にはいつもAAメンバーが集まっています。
先日テレビで、被虐待の子供の体から、虐待の痕跡を見つける方法を紹介していました。これが棒でたたかれた痕、これが首を絞められた痕と。それだけ医者でも見過ごしてしまうというわけです。日本では発覚しなかった殺人も、ずいぶんあると思いますね。
解剖されたくなかったら、酒飲んで孤独に死なないことです。
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