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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年05月01日(火) てっか 皆様は、鉄火丼をどう食べるでしょうか?
鉄火丼というのは、どんぶりご飯の上に、マグロの刺身がのり、刻み海苔がふりかけてあるやつです。刺身はお醤油で食べるとおいしいものです。鉄火丼の刺身は、いちおう汁に漬けてあるようですが、僕の好みからすれば薄味で、醤油を足したくなります。豪快に上から醤油をかけて食べると楽ですが、ご飯が「お醤油ご飯」になってしまって、ちょっとしょっぱすぎます。醤油ご飯もおいしいのですが、食うに困っていた時代を思い出していけません。
小皿と醤油差しがついてくる場合もあります。刺身をいったん取り出し、小皿で醤油に浸した後にご飯と食べると、味のバランスが整います。でも、こういう食べ方なら、丼である必然性がありません。刺身を全部皿に取り出して、一つずつ醤油で食べている人を見たことがあります。だったら、刺身定食を食えばいいのに・・・。
まあ、ともかく、鉄火丼を食べる前には悩むのであります。
鉄火丼の由来は、江戸時代の賭場で賭け事をしながら食べられるように、酢飯の上に芝エビをのせた丼を作ったのが始まりとされています。鉄火とは、熱せられた鉄が赤く光る様子のことで、それで賭場のことを鉄火場と呼んだのです。
鉄火は「赤いもの、辛いもの」を指す言葉ともなり、唐辛子を使った食材や料理に鉄火の字をかぶせたりしました。
話は変わって、人間が好むような甘く大きな果物(果実)は、植物にとっては不自然な産物です。実を甘くて大きくすることは、植物にとってそれほどメリットはありません。だから、咲いた花から出来た実をすべて熟させると、小さくて渋い果実ができます。これが自然です。それでは商品にならないので、実を間引くことで、ひとつひとつに栄養を集中させて大きな果実を収穫します。
この実を間引く作業を「摘果」といい、野菜や果物を栽培する際には、ほぼ必ず行われます。摘果される実は、未熟果であることが多いのですが、農家は食べられるものは食べます。
小学生の頃、母が「てっかなす」という料理を作ってくれました。
もちろん、ナスは自宅で穫れたものでした。
子供心に「これは摘果したナスを使った料理だ」と思っていたのですが、今から思えば唐辛子を混ぜた赤みそ(鉄火みそ)を使った、ナスのピリ辛炒めだったわけであります。
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