心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年03月07日(水) 信仰によって生きてきた

人は何かを信じなければ、生きていけないのだと思います。

生まれたばかりの子供は、金銭の価値など知りません。
子供が保育園に通っていた頃、親がお金を使って財布がカラになっても、次の買い物までにはまた財布にお金が入っているのはなぜか? という疑問を持ちました。銀行に行ってお金をおろしてくるから、と言うのが彼女の考えた解答でした。
「みんな、お金が欲しいから銀行に行くんだ。だったら、もっと銀行に行って、たくさんお金を出してくればいいのに」
でもね、銀行はお金をくれるところじゃないんだ。預けたお金を返してくれるだけなんだよ。僕らのぶんを全部出してきたら、もう銀行に行ってもお金はくれないんだ。じゃあ、預けるお金はどこから沸いて来るのか? それはパパが毎日働いて、ひと月に一回お給料をもらっているからなんだ。

「え? パパって、毎日お金をもらうために行ってるの? 遊びに行ってるんだと思ってた」(バレたか)

それから、彼女はお金について、彼女なりに勉強したようです。そして、出た結論は・・・「宝くじ3億円当たればいいのに」だそうです。
お金がいっぱいあれば、欲しいものは何でも買ってもらえる。そして彼女は、父親が「体調が悪い」などと言って仕事を休んで寝ていると、「ダメじゃないの働かなくちゃ」と余計なことを言うようになりました。

そうして彼女は、それまで知らなかったお金の力を信じるようになりました。それを子供っぽいと笑うことはできません。僕だって、大人になってからだって、お金の力を信じてきたし、今も信じているのですから。
お金で何でも買える訳じゃないけれど、たいていのものは手に入ります。逆にお金のない苦しさも(嫌ってほど味わったおかげで)よく知っています。金がないと酒も買えんのですから。

お金の力は、理屈で考えなくても、感じられるものです。そもそも僕にはあまり備わっていない力が、自分の周りから消えてしまわないように願うばかりです。

AAでは「自分より大きな力を持った存在」について考え、その力を信じていきます。お金の力を知らなかった子供が、それを感じるように成長するのと同じで、my Higher Powerを知らなかったアルコホーリクが、感じられるようになるのが成長でしょうか。いままでは、あってもなくても気にしなくて、感じることもできなかった存在が、自分の周りから消えてしまわないように願うようになるのは、確かに成長でしょう。

今はそれが感じられなくても、探求心を失ってはいけないと思います。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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