ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ|過去へ|未来へ
2007年02月22日(木) 選択肢の時代 選択肢が増えている時代だと思います。
たとえば仕事にしても、ありとあらゆる職業から、好きなものを選べばよいと言われる時代になりました。僕らの親の世代には、それほど職業選択の自由があったわけじゃありません。
商品も沢山のなかから自由に選ぶことができる時代になりました。
たとえば家電製品だと、子供の頃には、(ナショナルとか東芝とかの)街の電器屋さんの店頭で見て選ぶか、せいぜいカタログで選ぶぐらいのものでした。僕は中学生の頃、短波ラジオを聴くのにこった時期があり、KHzまでディジタル表示される受信機が欲しかったのですが、親から与えられたのは、兄のお下がりの短波ラジオだけでした。まあ、そもそも選ぶ自由すら無かったというか。
今は、仕事でも商品でも、飛躍的に選択肢が広がっています。
ただ、問題は、その中から何を選んで良いか分からないことです。
ちょっと前までは、選ぶために必要な情報をたくさん与えれば、人は自分で選ぶことができると考えられていました。いままでテレビや新聞や雑誌という「フィルター」を介してしか得られなかった情報が、インターネットによって情報提供者から直接得ることが可能になりました。はたまた、CGMと称して、口コミ情報を集める手法も流行りました。
それが幸せにつながったのかどうか。幸せどころが、みんな選ぶことに疲れているような気がします。よりよいものを選ばなければならないプレッシャーにつぶされているように思えます。
どんなに良いものを選んでも、必ず失敗の要素は含まれています。人生から後悔を取り除くこともできません。
高校時代とか大学時代とか、男女がクラスという狭い枠の中に閉じこめれられている時には、交際相手をクラスメートの中から選べた人が、いざ就職して世間に出ると、膨大な選択肢を前に、結婚相手を選ぶことができなくなる・・なんて話もあったりして。
一度しかない人生なんだから、失敗したって良いじゃないか、と思うんですが。
もくじ|過去へ|未来へ