心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年02月12日(月) スポンサーに電話する

夕食前に、本当に久しぶりに、AAスポンサーに電話をしてみました。
別段要件もないし、相談することも無かったのですが、ずいぶん長いこと電話していないことに気付いたからです。
奥さんが、元気そうな声で応対してくれて、スポンサーもけっこう元気そうな声でした。

いきなり仲間の訃報を聞かされました。すでに旧聞に属するのでしょう。
僕はそういう話を聞いても、なんだか感傷的になれません。飲んでいてもいなくても、アル中さんはいずれ死にます。だから、その人がAAにやってきて飲まなくなり、それから充実した日々があったのなら、それで良かったのではないかと思います。
人の人生が充実しているかどうか、本当のところは僕にはわかりませんが、少なくとも僕にはそう見えました。彼は、自己と対決していくのは厳しい作業だとは言いましたが、ステップは苦しいものだとは言いませんでした。

AAのミーティングは素晴らしいし、人の集まるAAイベントはもっと素晴らしいけれど、日常生活は辛いと言っている人は、否定的なメッセージしか運んでいないように思います。僕にとってAAは、歯磨きのようなものです。歯を磨かなくても生きていけるでしょうが、いろいろと不都合が生じます。でも、歯磨きそのものに喜びを感じるよりは、虫歯にならずに口臭が減る快適さに感謝を感じます。
でも、充実した人生を直接追い求めても、逆に虚しくなってしまったりします。目の前のAAの事に取り組んでいたら、いつの間にか日常生活に生きる喜びを感じていた、ということになるのかも知れません。

ともかく、生きることを喜んでいるかどうか、人は嘘はつけないものです。口でなんと言っても、周りの人は本音を感じ取ってしまうもの。

そんな考えが頭をよぎりましたが、電話口では何も言わないでおきました。

ホームグループの近況を報告して、電話を切るまで5分もかかりませんでした。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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