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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年10月02日(月) 厳罰化で交通事故は減るか? 直近の交通事故の経験は、今乗っている車が納車されてから3週間のときでした。
朝の混み合う時間帯で、僕は始業に遅れそうで急いでいました。近道をするために、信号のない交差点を右折ようとした時でした。近道しようと意志決定するのが遅れたので、結構な急ブレーキになってしまいました。それでもタイヤが鳴ったり、ABSが働いたりするほどでもなかったのですが。
いざ曲がろうとするときに、後ろからキキーとブレーキ音がした後、軽くゴンという衝撃がきました。営業車のバンに追突されたのでした。運転していたのは若いおにーちゃんで、助手席の上司との話に気を取られて反応が遅れたと言っていました。
お互いの保険屋に連絡を取って、事故証明は要らないということなので、5分で別れました。
こちらも急ブレーキを踏んだ責任があるのですが、追突の場合には100対0で、追突した方が悪いという規定がありますから、揉める要素はありませんでした。非常識なほどの急ブレーキでもなかったし、非常識なほど車間が短かったわけでもない。まして、車の中で会話することを非常識とは言えません。車に乗っている限りは、避けることの出来ない類の事故でした。
ちなみに、新車購入直後の事故では、保険屋に新車への交換を要求できます。ディーラーも乗り気だったのですが、納車まで45日待ちと言われたので諦めました。
交通事故はゼロにはならないだろうと思います。十分に安全な車間距離をいつも確保できているわけじゃありません。十分安全な速度で走っているわけでも、人と車が十分安全なほど離れているわけでもありません。現実にはいつも危険領域に足を踏み入れ、人間の能力以上のものを要求されているのです。
だから、一定の確率で交通事故は起こってしまいます。たとえ僕が、あれ以来事故に遭っていないとしても、今日仕事から帰る途中に事故に遭わないとは言えません。
飲酒運転の厳罰化は、確かに飲酒事故を減らすでしょう。でも、事故全体に占める飲酒事故の割合はそれほど多くはないでしょうから、交通事故の件数はそれほど減らないのではないかと思います。
それでもなお厳罰化をするのか。それは、飲酒運転は「避けられるもの」であり、あえてするのは故意犯であるという解釈があるからでしょう。たしかに、被害者にしてみれば、もし運転者が酒を飲んでいなかったら、という感情を持つのは当然と言えます。
厳罰化をすれば、理性の働く人たちは、飲酒運転を避けるようになるでしょう。それでも、(私たちがよく知っているように)飲酒に関しては理性の働かない人も相当数残ると思われます。
その上で、厳罰化をし、道徳心に訴えたにもかかわらず、どうしてこの人たちは飲酒運転をやめないのだろうと、人々が考え出したときに、初めて「やめられない病気」という概念がクローズアップされてくるのではないかと考えています。
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