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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年04月12日(水) 反ドーピング WBCという野球の世界大会を機に、アメリカの野球のドーピング(禁止薬物)汚染がとりざたされることになりました。
アメリカの大リーグは実質的にドーピング検査をしていないというのは有名な話です。
何年か前だったか、マグワイヤーとソーサーという二人の選手が、ホームラン王争いをしていたときには、筋肉増強剤を使っているのが当たり前という報道がなされていました。
全球団ともに検査をしていないのだったら、それはそれで公平と言うことなのかもしません。「薬を使ってトレーニングをして何が悪い」という価値観も、あながち完全に否定することはないでしょう。
が、国対国の試合をするとなると、そうも言っていられないわけであります。WBCではオリンピックに準じた薬物検査をすることになっていました。ドーピングの検査をする機関としてWADA(世界反ドーピング機関)というIOCが設立した団体があるわけです。
WADAでは抜き打ちの検査をすることができる契約を、各競技団体と結ぶわけですが、今回はWBCを主催した大リーグ機構と選手会との契約が切れており、抜き打ちの検査はできなかったわけであります。WBC主催側では独自のドーピング検査をした(抜き打ちで)としているわけですが、その検査対象の薬物のリストも公表されないとあって、どれだけ信頼が置けるかははなはだ疑問であります。
一応韓国の選手がドーピング違反で失格になっていたのですが、いかにもスケープ・ゴートという感じがしなくもありません。
一方日本の選手団は、自主的に全員を検査したとしています。
これも疑ってかかれないこともないのですが、「どんなにイチローがヒットを打ったとしても、もしそれが筋肉増強剤や興奮剤使用の結果ならば、その実績を認めない」という国民性はあると思います。
次回のWBCもあいまいな基準のまま行われるのか、それとも米大リーグ機構に自浄能力があるのか、3年後の大会もそんなことに注目してみたいと思います。
パラリンピックやスペシャル・オリンピックも、通常のオリンピックに準じた薬物検査が行われているのだそうです。ただ、時には、治療のため、予防のため、日常生活の維持のために常用している薬が薬物検査に引っかかってしまって、思わぬ失格という悲劇を生むこともあるのだとか。こうなると、どこに公正という線を引いたらいいのか分からなくなってしまいます。
もっとも、そうした特別なオリンピックの価値自体を認めないという人も、世の中には多いのでありますが。
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