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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年03月23日(木) テレビ テレビを所有していなかった時期があります。
進学のために上京して下宿に入ったときには、親にテレビを買ってもらったのですが、そこを出てアパートに移った後で手放してしまったのでした。なぜ手放したのかは覚えていません。ともかくそれから何年間か僕はテレビの無い生活をしたのです。
テレビなしのをたくの生活はちょっとさびしいです。でも、当時は大学の先輩に頼めば、彼らが撮っていたビデオをいくらでも見せてもらえました。頼んでもいないものまで見せられました。まあ当然と言えば当然の行為ですが。β派対VHS派の論争もかすまびしいかまびすしい時期でありました。
新聞を取っていたので、ニュースを知ることには困りませんでした。ラジオは聞いていましたし、出たばかりのCDプレーヤーも買いました。おそらく一生で一番音楽を聴いたのがこの時期だったでしょう。
やがてソフトウェア関係のバイトをするようになり、少し金回りがよくなったので、テレビモニター(チューナーがついていないやつ)とβハイファイのデッキを買いました。さっそくNHKの集金人にかぎつけられて、銀行引き落としの契約をしました。任天堂のファミコンを買ってきて、大画面でひたすらゲームをやっていた記憶があります。
そのうちに酒で評判を落とすようになって、仕事がうまくいかなくなり、金に困ってテレビモニターも、βデッキも、ファミコンも売られていきました。でもNHKの口座引き落としをとめるにはどうしていいか知りませんでした。分からないことがあれば聞けばいいのですが、もはや僕の周りには親身になって相談に乗ってくれる人はいませんでした。
それに、「金に困ってテレビを売っちゃったのですが、NHKの金を払わなくするにはどうしたらいいんでしょう?」って人に聞くのは、無駄なプライドを持っていた自分には無理な相談でした。
というわけで、テレビなしでまたしばらく過ごすことになりました。その間、見ることのできないNHKに金を払っていました。やがて再びテレビは買うのですが、田舎へ引っ越してしまい、そしてNHKの受信料を引き落としている口座を解約することでNHKと縁を切ったのであります。
実家は白黒契約でした。もちろんカラーテレビを見ているのですが、うちは白黒だと言い張ってカラー契約への切り替えを父が拒んでいたのでした。当時は電波強度が弱いとか、ゴーストが出るとか、そういう難癖をつけて白黒契約の金しか払っていない人もまだ多かったようであります。
結婚してアパートに入居して、しばらくはNHKとの契約を拒んでいました。だって東京にいたときに見てなかったのに払っていた時期があるんだもん。というのが僕の言い分でした。でも、敵もさるもの。波状攻撃に耐えかねた僕は、結局またはんこをついてしまうのでありました。
最近はあまりテレビを見ていません。なので当然NHKもほとんど見ません。ニュースや天気予報はNHKを選んでみる場合がありますが、ニュース専門チャンネルのコストに比べればNHKは高いと思うのであります。AMラジオやFMのぶんまでしめて払っていると考えても、まだ高いように思うのです。
なぜテレビ受像機を持っている人間にNHKの受信料を払うように法律で義務付けているかと言えば、払わないからといって電波を止めるわけにはいかないからでしょう。でも、地デジになったら、スクランブルをかけて、金を払わない人間には見せなくすることもできるわけでしょう。そのためのB-CASカードじゃないの。それともカードの管理団体はただの天下り先なの?
NHKの言うとおりあまねく広く放送を国民にいきわたらせるのだったら、税金を使ってやればいいとも思ったりします。所得に関係なく一律の受信料というのは逆進性があります。だって、収入が少ないからテレビを見ないように努めても受信料は節約できないんですから。
(まあ決めらられた金額を払えば、何十時間見ても同じ値段だったりして、単位時間当たりのコストは減らせますが)。
教訓。受信料の話を始めると収拾がつかない。
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