ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2004年08月04日(水) 便利商店 ホームレスの人は増えました。僕の住む地方都市にも、駅前の地下とか、公園の東屋とかに散見されます。冬場は氷点下になるので、大丈夫かなと思うのですが、そういうときは暖かいところに移動するのでしょうか?
ホームレスの人には会ったことがありますが、日本で物乞い(金乞い)をする乞食の人には会ったことがありません。唯一の経験は、台北の地下街を歩いていたときに、地べたに頭をこすり付けている老人を見たことです。何ヶ月も風呂に入っていないような風貌で、汚れた服を着て、頭をひたすら地下街のタイルにこすり付けるようにしていました。
台北駐在経験の長い商社の人は、ポケットから小銭をだして、金ダライの中に放り込んであげました。すると老人は涙を流して「謝々」と言うのでした。僕もじゃらりと入れてみたら、「謝々」と涙顔を見せてくれました。
「イマドキの日本にはいないですよね」と商社マンに話しかけると、「ああ見えても、そこら辺のアルバイトなんかよりずっと稼ぐんだそうだよ。縄張りとかあって大変らしい。あの肌も服も涙顔も商売道具だよ」とそっけない答えでした。
「じゃあなんで恵んでやるんですか?」
「施しをすると、閻魔帳に書いてもらえるでしょう。日本だと施しも商品化されて、コンビニのレジ横に並んでるがね」
コンビにでは施しさえコンビニエントであります。
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