天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

この場所でゆらゆら - 2008年01月22日(火)

土曜日の朝、昔の恋人に電話する。「だから俺は言っただろ? 3ヶ月も会わないで放っておくなんてのは論外だってさ。彼氏がいるのに淋しい思いをするようなのは健康に悪い。よくない」。ジェイソンのことをそう言った昔の恋人は、新しい出会いが13歳年上ってのに笑ったけど、「俺はそれ賛成。自分をさらけ出してつきあえ」って応援してくれた。

土曜日の夜ジェイソンがやっとコンピュターのメインテナンスに来てくれた。前から欲しかったタンゴのポスターをくれた。バキュームフォームってのをフレームショップで頼んで、フレームなしでベッドの上にの壁に張ることにジェイソンが決めてくれた。あと、ニューヨーク・シティ・バレーの、バスストップのライトボックス・ポスター。これもバキュームフォームにして、これはドレッサーの上の壁に張る。バレーにはあんまり興味はないけど、ニューヨーク・シティ・バレーはアメリカ一のバレー団だって前に観に連れてってくれたデイビッドが言ってた。綺麗なポスターだし、きっと貴重なんだろうな。それから、なんだっけ、チャイニーズのあのエロティックな映画。あのポスターをジェニーにってくれた。ジェニーはチャイニーズが入ってるからチャイニーズ映画のポスター喜びそうだけど、エロティックなのはどうかなって思う。

日曜日の朝、セシリアからの電話で起きる。ジミー・アントンのサルサ・パーティの確認電話。それからまだ眠っているジェイソンの様子を気にしながら、キッチンの窓辺に立ってジョズに電話する。「セシリアをサルサに連れてってあげる約束してたの忘れてたの。9時までだけど、多分最後まではいない。そのあとタンゴに行ける?」「もちろん。じゃあ8時半頃電話してよ。どこで会うかそのとき決めよう」。

迎えに来てくれたセシリアの車にジェイソンも乗ってけてうちまで送る。送り届けたあとセシリアが言った。「ジェイソン、いい人じゃん」。そうだよ。いい人なんだよ。だけど。


ジョズと踊るタンゴはいつでも素敵だ。ほかの人とも踊ればいいのに、ジョズはずっとわたしと踊ってくれてた。パーティが終わる12時少しまえに出て、ジョズのおうちに向かう。「明日は映画観に行こう。観たいのがあるんだ」。映画好きのくせに映画なんてジェイソンは一度も連れてってくれたことない。ふつうのデートっぽいこと、なんにもない。だからジョズのプランが嬉しかった。

ベッドの中でジョズが言う。「僕はきみ以外の子とは寝ない。もしもほかの誰かとセックスするようなことがあったらちゃんときみに言う」「そういう可能性があるの?」「今はないさ」。どういう意味? 変なの。と思ったけど黙ってた。「きみはほかの男と寝てる?」「ううん」「もしそういうことがあったらきみもちゃんと僕に言ってくれよ」「うん」。わたし、ジェイソンと寝たばっか。だって映画には連れてってくれないけど、セックスは会ったときのルーティーンなんだもん。「わたしの新しい友だち、ほんとにタンゴが上手なんだ。すっごく嬉しい」ってジェイソンには言ったけど、ジョズのことほかに何も言ってない。たくさんキスしてくれることもハグしてくれることも。ジョズはわたしをガールフレンドだと思ってくれてるのかな。それもよくわからない。「ねえ、あたしの声大きかった?」ってなんとなく話をそらす。

翌日の月曜日の祝日は、お昼過ぎに起きた。わたしがシャワーを浴びてるあいだにジョズがベーグルとコーヒーを買って来てくれて一緒に食べる。それから改装したばかりの一階のリビングにジョズが使いたい日本風のインテリアをふたりでオンラインでサーチしてたり、ジョズが観たい映画のショータイムを調べたり。映画には一緒に住んでるジョズの息子のジュリアンも連れてくことにした。「映画に行く前にサンドイッチ作ってあげるよ。ターキーとツナ、どっちにする? 夕べターキー食べたから、ツナがいいね」。聞いておきながら自分で決めてるジョズ。「あたしお手伝いするよ」って、ふたりで一緒に作った。

「カイト・ラナー」。ものすごい映画だった。ジョズは泣いてた。「泣いてるの?」って聞くと照れたジョズのほっぺたに、思わずキスした。DVD買いたいくらい、すごくいい映画だった。映画好きのジェイソンに話そうと思った。それからもう一本「アトーンメント」も観た。イギリス映画はいつも絵がきれいだ。これも凄いストーリーでよかったけど、「カイト・ラナー」ほどの凄さには欠けた。

ジュリアンとジョズと3人で並んで、ポップコーンとトティーア・チーズとコークの映画鑑賞必須ジャンクアイテムをほおばりながら、それがすごく楽しかった。ジュリアンは相変わらずシャイだけど、ドアを開けて待っててくれたりコートを持ってくれたり席に座るときも必ず先に行かせてくれたりの紳士ぶりはパパゆずりだなって思う。シャイなのに、わたしが帰るときには「グンナイ」って大きなハグをくれた。そしてジョズはうちまで車で送ってくれた。

素敵なロング・ウイークエンド。


なんとなく、これでいいのかなとか思ってしまったけど。


今日仕事中メールをチェックしたら、バネッサから短いメールが来てた。

wise words:
Do not ask the Lord to guide your footsteps, if you are not willing to move your feet.
-Anonymous-

もしも自分が前に進む気持ちになれないのなら、あえてそうすることを神に導いてくれるように求めないこと。


この場所で少しゆらゆらしていよう。ジェイソンには何も言わずに、ジョズの心地いい腕の中で甘えていよう、今は。  ...I think I deserve it now.







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