悪魔を殺したい - 2004年05月25日(火) 土曜日の晩からロードアイランドに行った。金曜日の朝に「明日から月曜の晩までロードランドに行くけど、来る?」ってメールが来て、突然だなって思いながら「行く行く行く!」って大喜びで返事。 わたしは金曜日の夜にジェニーとレネと Zootopia コンサートに行って、夜中の1時を回ってから帰って来てデイビッドの留守電にメッセージを残した。「ナターシャのバイオプシーの結果どうだった?」って。先週歯を3本抜いたナターシャは、アブセスが異常だったらしくてバイオプシーを取ってて、結果は金曜日に出る予定だった。 土曜日の午前中はセミナーに行って、帰って来たらメールが届いてた。「ナターシャのことで話がしたい」。すぐに電話した。 デイビッドはわたしの動揺を予期してるかのように、実際そうだったと思うけど、とてもとても落ち着いて淡々とドクターレポートをわたしに聞かせてくれた。 ナターシャは癌を診断された。 「カーシノマ」「マリグナント」。ドクターは手術とキモセラピーとラディエイションを提案してるらしいけど、癌のステージを表すその言葉がもう手術じゃどうにもならない状態なことを、わたしは知っている。ナターシャはとてもそんな癌を持ってるとは思えないほどエナジェティックでアクティブでハッピーなのに。1、2ヶ月って言われたらしい。ならなんで副作用の大きいキモセラピーやラディエイションで最後のその数カ月を過ごさせなきゃなんないんだろ。 わからない。わからないけど、絶対手術だけは反対だ。たとえ手術がもしも上手く行ったとしても、13歳の体には負担が大き過ぎる。 来週には癌の専門のドクターのところに行くことになってる。 ロードランド行きはナターシャのためだった。本当は木曜日には結果がわかってたらしいけど、水曜日のわたしのドクターの診察で仕事への復帰が7月に伸びたことでわたしが落ち込んでたせいで、言わなかったってデイビッドは言った。 生きられるあいだ、出来るだけハッピーな時間をあげようってふたりで決めた。今はそれだけ。 楽しかった。海はまだ寒くて、レイクに行った。風のないレイクのビーチはあったかかったけど、水はまだとても冷たくて泳げなかった。ナターシャだけが大好きなスイミングをたくさんして、それだけでデイビッドもわたしも満足だった。 楽しかったのに、またケンカした。 わたしはいろんなことを言って泣いて泣いて泣いてデイビッドを引っ叩いたいて、帰るって言って飛び出した。帰れるはずもなくて、車の中でひとりで泣いた。そんなふうになるわたしをデイビッドはルナティックってさえ言った。 デイビッドは変えない。ex-ガールフレンドのこと。 わたしは、どうしてそんなにこだわるのか分かってくれないデイビッドに全部気持ちを言ったのに。それでもデイビッドは変えてくれない。わたしが我慢するしかない。我慢しなくちゃいけないこと考えると、胃が痛くなって吐き気さえする。 わたしの中には悪魔がいる。誰の中にも悪魔が住んでると思うけど、わたしの悪魔は極端に悪質で狂ってるんだ。わたし、悪魔を殺したい。 ナターシャ。ナターシャ。ナターシャ。大好きなナターシャ。 ナターシャの癌を殺して。 ナターシャの癌と一緒に、わたしの悪魔を殺して。 神さま。 -
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