光 - 2004年04月24日(土) 「僕は仕事でいっぱいだから話も出来ないけど、きみ平気だろ? テレビ観たり本読んだり CD 聴いたり、好きなことしてればいいからさ」。 デイビッドはそう言ってた。うん、平気平気。一緒のとこにいられるだけでいいんだ。わかってくれてるじゃん、デイビッド。そう思って嬉しかった。 着いたらわたしはアパートのドアの前に荷物を置いて、ひとりで公園に行って歩く練習して、それからブロードウェイのマーケットにいたら携帯が鳴った。荷物をドアの前に見つけて、わたしを探しに外に出たらしい。「一体どこにいるの?」「買い物してる。なんか作ろうと思って。何食べたい?」「作らなくていいよ。オーダーするか食べに行こうよ。帰っておいでよ」。よかった。何作ろうか決められずに長いことマーケットにいたから。 いちごを2パックとミルク買って戻ったら、キッチンにおんなじパックのいちごが置いてあった。仕事場を覗いてじゃまにならないように「ハイ」って手を振ってから、キッチンでシンクの食器洗ってたらデイビッドがやって来た。3パックになったいちご見てデイビッドは笑った。一ヶ月以上遅れであげたバースデー・プレゼントをデイビッドは気に入ってくれた。 デイビッドが仕事してるあいだ、わたしはデイビッドのカバラの本を読んでた。生きることについて。幸せについて。カバラはわたしが教会で教わることととても似ていた。人が求めるあらゆるものを突き詰めて行けば、それはただひとつ、光であるということ。「この本に書いてあることを『信じる』のではなく、ここに書いてあることから自分を見つけなさい」。それも、バイブルは信じるものではなく、生きるためのガイド書であることとおんなじだ。ジーザスは幸せを与えてくれるのではなく、光に導いてくれる。そういうこと。ジーザスの言葉のなかにはたくさん「光」が出て来る。 「Whoever follows me will never walk in darkness, but will have the light of life.」 「You are going to have the light just a little while longer. Walk while you have the light, before darkness overtakes you.」 「The man who walks in the dark does not know where he is going. Put your trust in the light while you have it.」。 わたしはバイブルのジーザスの言葉を噛み締めながらカバラを夢中で読んだ。ほら、真実はひとつ。ジューダイズムにもクリスティアニティにも、多分ほかのどんなところにも、真実はひとつなんだ。 松葉づえ一本で、ナターシャと3人15、6ブロック先のカフェまで歩いてごはんを食べに行った。デイビッドが一緒だとなんでも出来そうな気がしてなんでもやりたくなる。そのせいか、金曜日はくたびれてくたびれて、カウチに転がってカバラを読みながらうとうとお昼寝ばっかしてた。 弟からかかって来た電話で、デイビッドはわたしのこと「カバラ読んで昼寝してお茶飲んで昼寝して CD 聴いて昼寝してる」って笑って、それ聞きながらわたしも大笑いした。 今日は弟のダニエルとダウンタウンの楽器屋さんで待ち合わせした。わたしが欲しいキーボードを見てもらいに。ダニエルはとても落ち着いた物腰の柔らかい優しい人で、どっちが弟だか疑うくらいだった。ダニエルのガールフレンドはいいなあって思った。 なかなか楽器屋さんを離れたがらないデイビッドをダニエルとふたりでせかして、デイビッドの運転で3時からのベイスボールの練習に向かう。土曜日の午後のダウンタウンは、ヴィレッジに行く方もミッドタウンに行く方も渋滞で、わざとスウェアするデイビッドにわたしは笑い転げた。練習にはとっくに遅れてて、なのに、イライラしてるダニエルに「いい朝食食べた? 僕たちはパンケーキ食べたよ」ってわたしが焼いたパンケーキを自慢げな顔で話したりして、やっぱりデイビッドはいいなあ、デイビッドがいい、って思った。 野球のグラウンドに着いて、ダニエルは「練習見て行きなよ」ってわたしに言って先に降りた。デイビッドとわたしは車を停めるスポットを探したけど見つかんなくて、わたしは練習を見るのを諦めた。運転席に移ったわたしに窓の外からデイビッドはバイのキスをくれて、わたしはジャックんちの BBQ パーティに向かう。 お天気がよくて、光が眩しかった。とてもとてもとても。 -
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