天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

信じられない - 2004年04月21日(水)

マジェッドから電話があった。
先週の日曜日に住所を聞こうと思って電話して、メッセージ残してたから。今度の土曜日にジャックんちでする BBQ パーティに誘おうとも思ってたからちょうどよかった。

BBQ は行けたら行くよ、って、また曖昧な返事だった。デイビッドは来られないって言ってたし、マジェッドは来てくれたらいいのになって思った。それから、住所を聞いた。

「なんでうちの住所知りたいの? なんか送ってくれるの?」
「あなたにじゃないよ」
「ここには僕以外もう誰もいないだろ?」
「え? カダーに送りたいものがあるの」
「カダー? カダーはもう夕べ出てったよ。知らないの?」
「・・・。何? 出てったって」
「昨日出発したんだよ」
「・・・。どこに?」
「・・・。きみ、ほんとに知らないの? なんで知らないの? カダーは言わなかったの? きみに」。

信じられない。カダー、帰っちゃった。自分の国に。
3週間前にカダーの国から両親がやって来て、帰って来いって言う両親をカダーは説き伏せようとしたけどダメで、カダーが両親と一緒に帰ることに決めたのはほんの一週間ほど前だってマジェッドは言った。月曜日に電話で話したとき、カダーは何も言ってくれなかった。それどころか「また電話するよ」ってカダーは言って、わたしは何の疑いもなく信じてた。

帰っちゃった。わたしに何も言わずに。帰っちゃった。あの国に。帰っちゃった。突然。帰っちゃった。政治的なことはよくわからないけど、帰れないはずだったあの国に、帰っちゃった。

わたしに言えなかったのは当然だと思う。貸してたお金、「2日前にチェックを送ったよ」って月曜日に言ってたけどまだ届かない。届かないのも当然だ。カダーは送ってない。カダーはうそついた。返してくれなかった。500ドルってわたしには大金なのに。チェックを送ってくれたことも、わたしは何も疑うことなく信じてた。

みんながみんな、カダーのことをヒドイ悪党呼ばわりした。デイビッドは驚かないって言った。ジャックはカダーのことをもう友だちだなんて少しでも思うなって言った。誰もみんな初めからカダーがお金を返してくれるとは思ってなくて、わたしだけが最後まで信じてた。「心配するなよ、ちゃんと返すから」ってカダーは言い続けてたから。ロジャーだけが「いつかきみに電話して来て、お金を送ってくれるよ」って言ってくれて、それだけがちょっと救いになった。

お金のことだけを言えば、わたしはもうかまわない。バカかもしれないけど、わたしは少なくともカダーを助けてあげられたと今でも思ってる。それに、自分の国に帰ってしまったカダーがこの先返してくれるとは思わない。でもかまわない。わたしはバカかもしれないけど、何も間違ったことも悪いこともしなかった。

だけど、返せないなら返せないでちゃんと説明してくれればよかったのに。帰っちゃうなら帰っちゃうで、せめてグッバイを言ってくれればよかったのに。

カダーはマジェッドに、置いてった小さな冷蔵庫とテレビを、「もしもあいつが欲しいならばあいつにあげてくれ」って言ったらしい。笑っちゃうよ。冷蔵庫とテレビだなんて。

カダーはわたしを騙した? 裏切った? ただ利用した?
誰もがそう当然のように言うけど、わたしはカダーが今頃自分の国でわたしにヒドイことしたと心を少しでも痛めてくれてると、そう思ってる。

カダーがこの国にもういないなんて、もう会うこともないなんて、悲しいとか淋しいとかより、まるで死んじゃった人を死んじゃったことが信じられないように想うみたいな、そんな気持ちがしてる。

ほんとに、なんでみんないなくなっちゃうんだろ。わたしの大好きだった人たちは。

いつも話してくれたその美しい国ではとんでもないことが起こり続けてて、とても幸せな国とは言えない。わたしはただ、カダーに安全でいて欲しい、幸せでいて欲しい、って、やっぱりバカみたいにそう願ってる。

信じられないよ、カダー。


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