ニューイヤーズ・イヴまで - 2004年01月04日(日) 12月25日木曜日。 デイビッドんちで着替えようと思ってたのに、アパートに着いて電話をしたら「そこで待ってて、すぐ行くから」。黒いドレスのまま靴だけ履き替えた妙な格好で、ナターシャと一緒に出て来たデイビッドに駆け寄った。「ねえ、ローラーブレイド買ったんだ。持ってっていい?」「向こうは雨だよ。出来ないよ」。あっさり却下されてガッカリ。 クリスマスってこと忘れてて、途中で買い出しするつもりだったのがお店はコンビニ以外全部お休み。仕方なくコンビニでパスタとグリーンピーズ缶と卵とシリアルとミルクとイングリッシュ・マフィンとジュースとアイスクリームを買う。ドリトスの大きな袋とブルーベリーマフィンをレジに並ぶデイビッドに持ってったら呆れられた。コンビニのフェイク・マフィンなんか食べられないって言いながら、「ドリトスはウマイから許す」だって。 ドリトスぽりぽり食べながらスタートレックのビデオを何本も観たあと眠る。ツインの片方のベッドに、くっついて眠った。 遅い朝ごはんはデイビッドが作ってくれた。イングリッシュ・マフィンとオーバーイージーのたまごとシリアル。コーヒーはわたしが挽いて湧かす。 ビーチに行った。びゅううびゅう風の吹くなか、だるまみたいに着込んで歩いた。夏は立ち入り禁止のリザーブ地帯にも行った。ナターシャが嬉しくて駆け回る。 晩ごはんはわたしが作った。熱したオリーブオイルとガーリックだけをゆでたパスタに絡めて、フリーザーにあったソーセージを茹でてグリーンピーズをマイクロウェイブであっためて、ピクルスを添えただけの。パスタが部分的にカリカリになってるのが美味しいって褒めてもらう。 またスタートレックと、ナントカってウルトラマンみたいのが出てくるラブコメディの映画と、なぜかおうちにあった津波の映画を観て眠った。 12月26日金曜日。 明け方胃が痛くて目が覚める。デイビッドに気づかれないようにベッドルームを出て、リビングルームのカウチにうずくまってた。ちょっと楽になって時計を見たら8時だった。携帯で病院に電話する。「今日病欠します」。「仮病使うとホントに病気になるんだよ」ってデイビッドが言ってたとおりになっちゃった。だから仮病のコールインもちょっとだけ罪悪感が薄れる。ベッドルームに戻ってデイビッドの腕の中に滑り込んでもう一度眠った。 また遅い朝ごはんを、わたしが作る。冷蔵庫に残ってたパンケーキ・ミックスで。ナターシャの分を犬の顔の形に焼いた。「どこが犬?」って言われた。 自転車に乗ってビーチに行く。一緒に走り続けるナターシャを見て、「またあんなに走れるようになるなんて思ってもいなかったよ」ってデイビッドは言う。うちに戻ってからピンポンの台を広いダイニングルームに広げてゲームした。夏にしようって言って忘れてたから。負けた。手抜きされたのに。 NY に向かって出発。帰りの車でケンカする。それでも仲直りして、クリントン・プレミアムのアウトレットモールに寄る。コールハーンで靴を買ってもらっちゃった。クリスマス・プレゼントだよって。ウォータープルーフの黒い皮のショートブーツ。クリスマス・プレゼントなんか期待してなかった。嬉しくて抱きついた。デイビッドのアパートに戻ってまた一緒に寝る。眠りかけたときにまたケンカした。 12月27日土曜日。 わたしは仕事。週末のシフトが入ってなければ日曜日まで一緒にロードアイランドで過ごせたのに。冬のロードアイランド。雨は降らなかった。何もしなかったけど素敵なクリスマスになった。 仕事が終わってから、ロジャーとジェニーと教会仲間のマイクと4人でアイススケートに行く。セントラルパークのスケートリンクは入るのを待つ人の長い行列で、諦めてマイクの車でニューロックに行く。初めての自分のスケート靴。「似合うじゃん」ってロジャーが言ってくれた。11時のクローズまで滑る。マイクと一緒にダンスしながら滑ったのが楽しかった。転びそうになるとマイクがわたしをスピンして、だから転びそうになったことも誤魔化せた。だけど悲鳴が響き渡ってたってあとからロジャーとジェニーに笑われる。 うちに帰ったらデイビッドが電話をくれた。仲直りの確認みたいな電話。 12月28日日曜日。 今日も仕事。夜、ジェニーが電話をくれる。ウィンター・リトリートの締め切りが明日だから。行かないことに決める。たくさんおしゃべりした。デイビッドとのケンカのこと。それからオスカーさんのこと。「right person って思ったんだ」って言ったら、そんなふうに思うのはやめなって言われた。わたしをガールフレンドって呼べないデイビッドに見切りを付けてバイして、わたしをガールフレンドにしたいって言ってくれるオスカーさんに乗り換える。正直言うとそんなことちょっと思ったりもしてた。「それはフェアじゃないよ、デイビッドにとってもアンタにとってもオスカーさんにとっても」。何かがすっと吹っ切れた。 12月29日月曜日。 カダーが電話をして来て会おうって言う。疲れてるからって断った。 9月の初めに貸してあげた500ドル、まだ返してくれない。2週間後に返すって言ったくせに。 12月30日火曜日。 日曜日の出勤の代休。ジョセフから電話。カリフォルニアの友だちが遊びに来てて、3時にリトル・イタリーでごはんを食べるからって誘ってくれた。お昼のあいだに済ませなきゃいけない用があったけど、説得されて行くことになった。6時頃には帰って来て、デイビッドに電話する。「今日会いたいな」。デイビッドは明日までに終わらせなきゃいけない仕事があるから明日の夜にしようって言う。「明日はあたし、ニューイヤーズ・イヴのダンス・パーティに行くんだよ」「パーティ終わってからおいでよ」「パーティは朝までだよ。途中で抜けてこうか。何時まで起きてる?」「1時とか2時?」「じゃあ1時半頃行く」。 それからルーズベルト・フィールドに、大家さんへのクリスマス・プレゼントを買いに行った。去年と同じお店で素敵な碧絵のお皿4枚。そしてブルーミンデールで日本風のコーヒーマグをふたつ買った。クリントン・プレミアムのアウトレット・モールで紺のブレザーを買ったデイビッドによく合うタイを選んでわたしからのクリスマス・プレゼントにしたけど、コーヒーマグは前からクリスマス・プレゼントに決めてた。クリスマスとっくに終わって「クリスマス・プレゼント」もないけど。 奇麗にラッピングしてニューイヤーのカードを書いて、2階の大家さんちに持ってく。とても気に入ってくれた。 あの人からハッピーニューイヤーの電話がある。 12月31日水曜日。 今日も仕事。終わってから急いで帰って、パーティの支度をする。 車でデイビッドのアパートの前まで行って、そこから地下鉄でビレッジまで行った。オスカーさんと待ち合わせてた。ジーンもほかのダンス仲間も来た。教会のリックにもばったり会って驚いた。すごい人で足踏まれるしドレスにワインこぼされるし散々だったけどパーティは楽しかった。サルサもタンゴも思いっきり踊った。クラブダンスもやった。ジャイブがどうしても苦手で、上手く踊れなかったけど。 カウントダウンのあとの乾杯をしてみんなで抱き合ってニューイヤーをお祝い。1時になってからひとりで抜け出した。 遅れるかなって思ったけど、地下鉄は速かった。 地下鉄を降りて3ブロック歩く。交差点の向こうに停めてた車のトランクを開けて、着替えとコーヒーマグのプレゼントを入れたバックを取り出して、交差点を渡って戻ろうとしたら角のビルに背をもたれて立ってる人がこっちを見てた。来たときには気づかなかった。 目を凝らして見る。 急いで交差点を渡る。 「なんでこんなとこに立ってるの?」 目がパチクリしてたと思う。 「ハッピーニューイヤー」。 デイビッドは大きな腕の中にわたしをすっぽりくるんで抱きしめた。ほっぺたが冷たかった。くちびるがあったかかった。 -
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