lost in translation - 2003年11月07日(金) つまんない映画だった。 お休みだった昨日の木曜日、風邪を引いたデイビッドにレンティルのスープを作ってった。いつもどおりにタンゴ・クラブに行って、スープを持ってデイビッドんちに行く。スープを食べてから映画が観たいって言ったデイビッドに、わたしがリクエストした「Lost in Translation」。 先週のエレクション・デーの休日出勤だっけ。うちの病院に戻って来た Dr. チェンと B4 のフロアでバッタリ会ってお昼一緒に食べに行って、日本大好きな Dr. チェンが「おもしろいから絶対観に行っといで」って言った映画。Dr. チェンの話聞いてるとおもしろそうだったのにな。 笑えたけど、完全に日本人とか日本とか日本の文化バカにしてる。あんなふうに日本をバカにした映画に出て、それでもあの俳優さんたちは「アメリカの映画に出た」って喜んでるんだろうな。バカにされてるってわかってんのかな。わかってないんだろうな。わかってたとしても、お金のためならなんでもいいのかもしれない。頭に来るより恥ずかしかった。ストーリーもバカみたいだったし。 映画館のエスカレーターに飛び乗って、振り返って「どうだった? つまんなかったね」って言ったら「まあね」ってデイビッドは答えながら、「でもきみの国がどんなのか見れたのがよかったよ」って言った。 雨の中、タクシーを拾ってデイビッドのアパートに戻る。 いつものようにお茶をいれて、テレビを見ながらおしゃべりして、Tシャツを貸しれくれてベッドに潜る。 初めて一緒に眠った夜、おやすみのキスをねだると「バカみたいだ」って言いながら「日本人はみんなするの?」って笑ったデイビッドに、「ほかの人のことなんか知らないよ。あたしはして欲しいの!」って無理矢理もらった。それからもおやすみのキスはお願いしないとくれないけど、うんと甘いキスをくれるようになった。でもそれだけ。 スープを食べてるときにかかってきた弟からの電話で、わたしがスープを作って来たこと誇らしげに話してくれた。そのあとかかって来たわたしの知らない友だちからの電話でも、おんなじようにスープのこと話してから「冷めるといけないからあとでかけ直すよ」って言ってくれて、嬉しかった。でもそれだけ。 わたしがデイビッドにとってどれだけ大事なのか、よくわかんないまんま。 タンゴ・クラブには昨日もオスカーさんが来た。サルサのクラスメートで、わたしのタンゴの先生が自分の友だちだって知ってからタンゴ・クラブに顔出すようになった。オスカーさんは楽しい。デイビッドとおんなじように、野球もやってテニスもやって家族中で音楽が趣味で、自分で仕事をやってて毎日いろんなことに忙しくってパワフルでエナジェティックでいつもポジティブで。 「ボーイフレンドいるの?」って聞かれた。答えられないで口ごもってたら、「言いたくなけりゃ言わなくていいよ」って言う。「そうじゃなくてね、ただのデートの相手でボーイフレンドじゃないんだ」って答えた。「じゃあ僕のこと考えてよ。僕も今は忙しくてガールフレンド持つ時間ないけど、待ってるから。きみのこと好きだから」。 先週の木曜日。「なんであたしはあなたのことボーイフレンドって呼べないの?」って聞いたら「シリアスになりたくないから」ってデイビッドは言った。 「だってね、男の子たちがうるさいの。ボーイフレンドがいるって言えたらずっと簡単なのに。あたしの人生ずっと楽になるのに」。半分ジョークで半分ほんと。うるさいほど言い寄られるはずないけど、デートに誘ってくれる人はいる。「ボーイフレンドいるの?」っても聞かれる。そのたびに悲しくなる。デイビッドのことボーイフレンドって言えないこと。「じゃあボーイフレンドって呼んでいいよ、きみがそう呼びたけりゃ」なんてデイビッドは言った。 オスカーさんのこと、考えようかなとかちょっと思ってしまう。うんと年上だけど、全然わたしにはかまわない。だけどデイビッドとおんなじような人だからなんて理由、ヘルシーじゃない。病んでるよね。 でもわたしを失ったら、カダーみたいに「きみのことが大事だってどうしてもっと早く気づかなかったんだろう」なんてデイビッドは言って、そのときにはやっぱりわたしだってにせもののデイビッドより本物のデイビッドがいいに決まってるじゃんって思って、それでヨリを戻して今度はちゃんと恋人としてつき合ってくれて・・・なんて。そんなカケ、わたしには出来っこない。 お互い何かを誤解し合ってるって、この間電話したときディーナが言った。 わかるようで、わかんないよ。 -
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