元気ちょうだい - 2003年08月09日(土) 目が覚めたら外が眩しかった。晴れ。急いでジョセフに電話する。お天気がよかったら教会のみんなでビーチに行ってジョセフんちで BBQ するってプランだったから。 「キャンセルになったよ。ずっと雨だったし今日も天気予報はシャワーだから」「だって晴れてるよ」「今はね。だけど快晴ってのじゃないだろ。午後からシャワーだよ」。 ジョセフはこの週末、アパーウェストサイドの友だちんちにいる。「お昼食べに出ておいでよ。それからミュージアムに行こうと思ってるから、一緒に行こうよ」。そう言われたけどあんまり乗り気がしなかった。水曜日から車のエンジンチェックライトがオンになってるのを思い出した。仕事の帰りに病院の近くのガスステーションでフルーイッドだけ見てもらったけど全部平気で、週末に修理屋さんに持ってかなくちゃって思ってた。 修理屋さんに行ったら、チェックするだけで80ドルって言われた。エンジンの調子は別に悪くない。と思う。すぐにチェックしなきゃ危ないか聞いたら、何も変化を感じないのならしばらくそのまま乗ってればいいって言われる。どこも悪くなくてチェックライトがつくことがあるらしい。わたしの「エンジンの調子は別に悪くない」なんかとてもあてにならないけど、チェックするだけで80ドルなんか払いたくなくてそのまま放っておくことにした。 雨が降ってきた。修理屋さんの駐車場でなんかちょっとアヤシげなおじさんに、パッセンジャーズシート側のドアがぼっこり凹んでるとこを30ドルで直してあげるって言われる。30ドル持ってなかった。20ドルしかなかった。ボディショップに持ってったらいくらかかるかわかんないからそれもずうっと放ってた。おじさんは20ドルでいいって言って、今日は娘のバースデーだから直させてくれって言う。10分で出来るって言うし、20ドルならいいやと思って直してもらった。きれいに直してくれた。20ドルじゃ申し訳ないような気がしたけど、ほんとにそれしか持ってなかった。「娘のバースデー」はウソなんだろうなって思った。毎日が娘のバースデーにちがいない。 カダーに電話してみる。最近たいくつたいくつって元気がなくて、昨日も電話をしてきてたから。わたしは昨日ジェニーとターキッシュ・レストランに行ってからターキッシュ・ピザが食べたくて、カダーんちの近くのミドルイースタンのレストランでテイクアウトして持ってくことにした。それから、カダーが教えてくれた世界中のビールを売ってるリカーショップにも行ってみたかった。そんなお店、2年もあの辺りに住んでて知らなかった。デイビッドがロードアイランドに行かないでうちに来てくれるときのために、デイビッドの好きなシエラネバダのビールを買った。なんとなく、スタウトにした。6本パックの半分をブルックリン・ブルーワリーのブラウンエールにしてもらった。そんなのもアリで嬉しかった。 カダーんちに行ったら、リビングルームのカーテンは引いたままだし、キッチンは汚れたまんまで、カダーは、今はルームメイトのマジェッドが自分の食器を洗わないって文句言ってる。バスルームも汚れてる。なんか全然きれい好きなカダーらしくなくて、「たいくつ」はダウンの意味だった。 「あたしがマジェッドの食器洗ってあげる」。そう言ってキッチンを片付け始めたら、カダーもテーブルに山積みになったままの食器を運び始める。バスルームも一緒にお掃除した。トイレットボールにがんがん洗剤かけて「Disgusting, disgusting, disgusting!」って言いながらブラシでごしごし洗いながら、カダーはだんだん元気になってく。 それから持ってったターキッシュ・ピザをカダーが切ってくれて、スマノフを半分コしながら飲んだ。一口飲むたびカダーはわたしに瓶を渡してくれて、わたしは一口飲んだら瓶をコーヒーテーブルの上に置くから、カダーは怒ってわたしは大笑いする。「コーヒー煎れてよ」って言ったら「自分で煎れろ」って言いながら、ペーパーフィルター渡してくれたり「こっちのコーヒーのほうが旨いよ」って新しい缶を開けてくれたり。 カダーのベッドルームの床に、建築デザインの雑誌が落っこってた。 カダーの焦る気持ちが分かる。ダウンしてる気持ちも分かる。生活のための仕事じゃなくて、自分の国でやってたアーキテクトの仕事を、ここで早く出来るようになればいい。早く見つかって欲しい。 友だちから電話がかかって来て、カダーは出掛けることになった。 わたしはデイビッドからの電話を待ってたけど、かかって来ない。ロードアイランドに行っちゃうのか、うちに来てくれるのかわかんない。 「完ぺき無視されてるな」って笑うカダーはすっかり元気になってた。 元気出せ、カダー。 じゃなきゃあ、カダーらしくない。 それでその元気、わたしにちょうだい。 -
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