Go with the flow - 2003年08月08日(金) 昨日の夜、わたしはデイビッドのベッドでぐっすり眠れた。わたし用に7時に合わせてくれた目覚ましにも気づかないでデイビッドに起こされたくらいに。いつも途中で何度も目が覚めて、ちゃんと眠れなかったのに。着替えてバイを言いにベッドに戻ったら、デイビッドは眠ったままわたしの手を取って、握ったわたしの左手の指にキスしてくれた。 ウォーターメロンとブルーベリーを綺麗にお皿にのっけて、アイスコーヒーを作ってくれて、トーストに塗ったゴートチーズと別にエイジドのゴートチーズのスライスとプルーンを添えた軽いディナーを、いつものように大きなデーブルの端っこと端っこに座って食べて、いつものようにナターシャがわたしのそばにいて、いつものように素敵な音楽聴いてテレビを見て、何もかもいつもと一緒だったのに、いつもと違う木曜日の夜だった。 わたしは確かなものを見つけられた気がした。いつもとおなじデイビッドに。 だからいつもと違った朝だった。少し抜け出せたような気がした。安心してた。 デイビッドのとこから一旦うちに帰る途中で、あの人からの携帯が鳴った。「うちにかけたけどいなかった。仕事?」。「うん」って答える。うちに帰ってシャワーを浴びてそれから仕事に出掛けるんだったけど。 ジェニーは今日ちょっとヤなことがあって鬱いでた。それでバイブル・スタディーを一緒にさぼってジェニーをショッピングに連れ出した。お揃いの、チャイニーズ・カラーの白いシャツを買った。来週の水曜日にはジェニーの送別会がある。そのときに一緒に着ようよってジェニーが笑う。ジェニーがオフってだけでつまんないのに、もうずっといなくなっちゃうなんて、そんなの想像もつかない。 ショッピングの間に携帯が鳴って、取ったのにヴォイスメールに変わってた。デイビッドだった。週末にまたロードアイランドのサマーハウスに弟と行く予定だったけど、弟が行けないかもしれないから、そしたらわたしを連れてってくれるって言ってくれてた。「弟が行けるようになったからふたりで行ってくる」ってメッセージだった。 ミドルイースタンのレストランに行きたいってジェニーが言うから、カダーとカダーのルームメイトと3人で行ったことのあるターキッシュ・レストランに連れてった。ジェニーはとても気に入って「また来ようよ、仕事の帰りに」って言ったあと、「ああ、あたしもういなくなっちゃうんだった」って自分で笑った。 食事をオーダーしてる間に、またデイビッドが電話をくれた。ロードアイランドに行けなくなったのががっかりだったけど、お天気が悪かったらやめるかもしれないって言うから「もし行かなかったら明日うちに来る?」って聞いたら嬉しそうに「Okay」って言ってくれた。 水曜日にアニーのオフィスに行ったとき、アニーがわたしにデイビッドのことを聞いた。「新しいボーイフレンドとはどうなってるの?」って。ボーイフレンドかどうかわかんないんだってば。おんなじだよ。そのまんま。 アニーはわたしの名前を上手く発音出来なくて、わたしのことをスージーって呼ぶ。チャイニーズの友だちのスージーにわたしが似てるらしい。でもほんとは似てないと思う。アニーには、チャイニーズもジャパニーズもみんな似てるだけだと思う。アニーがわたしのことをスージーって呼ぶから、アニーのオフィスのみんなもわたしをスージーって呼ぶ。「スージー」って呼ばれて返事するたびに、「アンタ、スージーじゃないじゃん」ってジェニーは笑うけど、わたしは「スージー」にすっかり慣れちゃった。 「おんなじ。そのまんま。週に一回デートしてる」。前に、デイビッドが ex-ガールフレンドと今でも会ってること言ったら、わたしがまたそんなバカな男に引っ掛かったって怒ってたのに、昨日はそう答えたらアニーは優しい声で言った。 「Go with the flow, Susie」。 電話を切ったら、ジェニーもデイビッドのこと聞く。「どうなってんの? 進展したの? アンタのことガールフレンドだと思ってくれてるの?」。ジェニーも気にしてくれてる。わたしがデイビッドの何なのかよくわかんないっていつも言ってること。昨日何か確かなものを感じて、でも言葉で上手く説明出来ないから言わなかった。言ったとしても、そんなわたしの中だけでのこと、ジェニーは納得しやしない。「わかんない。まだこのままでいいや。少しずつ変わってきてると思うから」。そう言ってからアニーに言われたこと言って笑った。 帰りの車の中で、ジェニーが突然笑い出す。「何が可笑しいの?」「アニーったら、『Go with the flow, Susie』かあ」。病院の駐車場まで乗っけてってくれて、それからわたしが降りるときにアニーの言い方真似して言った。「Go with the flow, Susie!」。 神さまの声は、ときどき誰かの声になって聞こえるのかもしれない。 -
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