何気なく - 2003年07月24日(木) 昨日、デイビッドからのメッセージと一緒にロシア系さんからメッセージが入ってた。 サルサのクラスのあと、みんなでキューバン・ソウルに行った帰りに気がついた。明日はお休みだから会えないかなって。 今日になっても返事はしなかったけど、お昼すぎ、今日も予定がひとつキャンセルになったからたいくつで電話してみた。わたしの住んでるところに来るって言うから、そっちの方ににわたしが行くって言った。久しぶりに遠出の運転がしたかった。ロシア系さんはアップステイトに住んでる。 どこかの大きなモールの駐車場で待ち合わせして、そっからロシア系さんは遊園地に連れてってくれた。綺麗なとこだった。海のすぐそばで、ビーチがあって、遠くに霞むのはロングアイランドだよってロシア系さんが教えてくれた。 遊園地なんて何年ぶりだろ。パワーサージっていう空中をぶるんぶるん振り回されるやつに乗ったら、ハートアタックするかと思うくらい怖かった。ぎゃーぎゃー叫んだ。あと1分続いたらホントに死ぬと思った。ローラーコースターはロシア系さんが写真サービスを注文して、出来上がった写真のわたしは「この世で一番ブサイクな顔」くらいブサイクだった。メリーゴーラウンドがすごい勢いで走るダービーなんとかってのに乗りたかったけど、大人は乗れないって言われた。観覧車が気持ちよかった。海が綺麗で、とても綺麗で、後ろを振り返りっぱなしで海ばかり見てた。 ものすごく楽しかったけど、ロシア系さんはわりとたいくつな人だった。 モールの駐車場まで戻る途中でジェニーから電話がかかった。このあいだ受けた病院、採用されたって。嬉しかった。でも淋しくなる。 自分の車に乗り換えて、そのままロシア系さんのあとについていつものタンゴに行った。デイビッドんちのすぐそばの高速を通った。「今日は初めて河沿いをうんと北の方に来てみた」って、いつか自転車に乗って電話をくれたのはこの辺りかなとか思ってた。 10時すぎにデイビッドと会った。ごはんを食べてから、「グリーンティ・アイスクリーム食べようよ」って、いきなりデイビッドが日本食のお店に入って、閉まりかけの誰もいないレストランで抹茶アイスクリームだけ注文してふたりで食べた。 それからデイビッドのアパートに行く。いつものようにデイビッドが仕事のメールをチェックしてる間、わたしはナターシャとリビングルームで遊ぶ。サルサの FM ステーションを勝手にかけて、くるくるひとりで踊ったらナターシャがわたしの周りをジャンプする。ぐるぐる走り回ったら、あとをついてぐるぐる走る。ときどき突然止まって天井に向かってウォウォウォウォウォーって吼えるのが可笑しくて、つられてゲラゲラ笑った。 カウチに座って窓を眺めたとき、神さまの声がまた少しだけ聞こえた。答えじゃない。でも、聞こえた。確かに聞こえて、それが胸の奥を優しく撫でてった。 「Did you miss me?」。なんでもないふりしてそう聞いたら「Of course」ってデイビッドが言った。「あたしのこと好き?」って聞いたときにハンサム・ドクターが答えたのとおんなじ言い方だった。あのときはその言い方に込められた気持ちがわからなかった。あとになってからわかった。わたしはいつもそうだから、デイビッドの言葉は今ちゃんとしっかりこころで聞こうと思った。 「そんなこと考えなくていいんだよ。僕は今ちょっといつもより忙しいだけだから」。 デイビッドはそれからそう言った。ちゃんと聞かなくちゃと思って、聞き直した。「きみがそんなふうに考える必要ないって」。 今日は少し離れたところに車を停めてて、デイビッドが自分の車でそこまで送ってくれた。バイのキスをくれたあと、わたしはもう一度抱きついてほっぺたにキスした。それから後ろのナターシャの頭と顔を撫でてバイバイをした。 帰り道、ひとつずつ思い出してた。 今までくれたデイビッドの言葉。何気なく言うから何気なく聞き流してた言葉たち。 それから、いつも何気なく繋いでてくれる手。繋いだわたしの手の甲に何気なくくれるキス。 通い慣れた道を運転しながら、ひとつずつひとつずつ思い出してた。 神さまの声はきっとそれを教えてくれた。 -
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