恋の始めみたいに - 2003年05月24日(土) 金曜日、また胃が痛くなって朝起きられなかった。 お薬を飲んでしばらく横になってるとおさまったけど、もう病院に電話して休むって言ってしまってた。だから半分ズル休み。かな。 雨。寒かった。でも出掛けた。 うちの近くにミドルイースタンのお店が並んでる通りがあって、カダーがあの CD を買ったって言ってたお店を探しに行った。そういうお店がたくさんあった。素敵そうなレストランやカフェもたくさんあった。サインが全部あの不思議な文字だから、なんて書いてあるのかさっぱりわかんなかったけど。エジプシャン・カフェって英語で書いてあるおしゃれなカフェがあって、ちょっと入ってみたかったけど、お客さんがみんなエジプシャンみたいで気後れして入れなかった。カダーの国のじゃないからまあいいやって諦めた。 何度も車で通ってる通りなのに、知らなかった。こんなにミドルイースタン。 このお店かなって思って入ったお店のレジのそばに、CD が置いてあった。奥に入ってみたら、ショーケースの中にも CD が並んでて、その中にカダーが聴かせてくれたあの CD とおんなじのがあった。 カダーの国の食べ物がたくさんあって、作り方を教えてくれたあの茄子のディップの缶詰も見つけた。「自分で作れるんだよー」って得意になった。カダーの大好きなピタブレッドを一袋手に取って、お店の人にショーケースから CD を出してもらって、それからショーケースに並んだお菓子を選んだ。カダーが教えてくれたから知ってるのとカダーが教えてくれなかったから知らないのと、全部混ぜて一種類ずつ買った。CD は3ドルだった。パイレートだから3ドルだったんだってカダーが言ってた。 カダー。カダー。カダー。なんでもカダー。 まるで恋の始めみたいにこころが踊ってた。 カダーとここ一緒に歩きたい。エジプシャンのカフェにも行ってみたい。 カダーの国のお店で、またおいしいもの教えてもらって食べたい。 冷たい雨の中、傘をさして寒さに震えて歩きながらドキドキしてた。 携帯に restricted の missed log が入ってた。気がつかなかった。 ジェニーだと思って夜になってからかけたら、「ラヒラと映画観に行くことになったから、元気になってたら出て来ないかなと思って病院からかけたの」って。 「ごめん。全然気がつかなかった。何観たの?」 「マトリックス・リローディッド」 「おもしろかった?」 「すっごくおもしろかったよ。1はさっぱり意味わかんなかったんだけどさ、今度のは最高。もう次のが楽しみだよ」。 ジェニーがなんだかとっても嬉しそうで楽しそうで、わたしはますますこころが踊る。 そのあとカダーに電話した。 「あなたが言ってたお店、見つけたよ。左側にデリがあって、レジのところに CD が置いてあるとこでしょ?」 「そうそう、そこそこ」 「あの CD 買ったんだ。値段聞いたら『3ドル』って言われて、絶対ここだって思ったの」。 カダーは可笑しそうに笑った。それからお菓子を買ったこととエジプシャン・カフェが素敵そうだったけど入らなかったことも話した。カダーは何度か行ったことあるって言った。カダーが言ってた通りにカダーの国のレストランやカフェがたくさんあったことも話したけど、今度連れてってね、なんてわたしは言わなかった。ちょっとおしゃべりしたあと、カダーは用事があるらしくて、それから「もう切らなきゃいけないけど、平気?」ってわたしに聞いた。前によくそう聞いてくれてたみたいに。わたしは平気だった。 電話を切ってから、あの CD をずっと聴いてた。 ずっとかけっぱなしで、飽きることなく聴いてた。 ほんとに恋の始めみたいに、胸がときめいた。 だけどもう、ブレーキかける方法知ってる。多分。 デイビッドのせいかもしれない。 ねえ、デイビッドのことどう思う? 誰かに聞いてみたい。 -
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