天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

迷子じゃなくなる日 - 2003年05月23日(金)

昨日は太った大きなおじさんが来てなくて、わたしは先生にまたレッスンを受ける。クロスしたあと足を止めなくちゃいけないとか、かかとをスライドさせちゃいけないとか、そういう細かいところを直されてばっか。太ったおじさんと踊ると上手に踊れてるような気になってるだけで、ほんとは上手くなんかなってない。

柱を両手で持って、フォワード、サイド、バックワード、サイドって、柱の回りをステップで回る練習をひとりでやらされた。「恥ずかしがらずにセクシーにやってみてごらん」って、受付のおにいさんが言ってくれるけど、恥ずかしがってるわけじゃなくて、頭がこんがらがってセクシーどころじゃない。それに、柱相手にセクシーにやれって言われても。

可哀相になったのか、初めて来てた男の人が誘ってくれた。練習の成果がちょっとあったみたいで、きちんと踊ることに集中したらわりと上手くやれた。でもその人に複雑なターンを教えられて、またこんがらがっちゃった。タンゴって、やればやるほど難しくなる。

夢中になってたらメーターパーキングにコインを入れに行くのを忘れて、「ごめんなさい。パーキング!」って曲の途中で気づいて走って表に出た。ウィンドシールドにオレンジ色の紙が見えた。泣きそうになった。これで2回目。

「表の通りじゃなくて、この横の道ならメーターパーキングじゃなくて普通に停められるよ。わりとスポット空いてるし」って、最後に踊った背がめちゃくちゃ高くて踊るときに絶対顔を見られないロシア系の男の子が教えてくれた。


デイビッドに電話したけど、携帯はオフになってた。「どこにいるの? 電話してね、待ってるから」ってメッセージを入れた。とてもとてもとても会いたかった。パーキング・チケット切られちゃったせいもあるけど、それだけじゃなかった。なんでかわかんないけど、カダーのせいだと思った。あんなに満たされた気持ちだったのに。

デイビッドのアパートの前まで行って、車の中で20分待つことに決めた。あと2分になったときに必死でお祈りした。「神さま、どうかデイビッドに電話させてください。とても会いたいです。どうしても会いたいです。会わせてください。どうかデイビッドが電話をくれますように」。そしたら携帯が鳴った。びっくりした。

クライアントのバースデー・パーティに行ってて、9時半に抜け出るつもりだったのが、ちょうどバースデーケーキの時間になってしまって抜け出られなくなったって。「今自転車でうちに向かってるからね。あと10分で着く」。そのあと「ワーッ」って叫んで「ごめん、携帯危ないから切るよ」って切った。

ナターシャがびっこの足でわたしのまわりをジャンプしまくる。しゃがんで抱っこしようとしたら、「No! ハグはいいけどキスはダメ!」ってデイビッドがわたしに言ってナターシャを押さえる。それから顔の傷を見てくれた。痕が残ったらチャームポイントにするどころか、傷は殆どわからない。色白ですべすべのお肌なら目立ったかもしれないけど、ぜんっぜんそういうのじゃないから。「もうわかんないでしょ?」って言ったら、「まだわかる」って心配そうにデイビッドは言った。そして「ナターシャにキス禁止令」が出された。

「ダンスはどうだった?」って聞かれて、「まあまあ」ってだけ答えてから「ハグちょうだい」って言った。笑いながら「欲張りお嬢ちゃん」ってわざと子どもに言うみたいに言って大きく腕を広げてくれた。飛び込んでしがみついて「またパーキング・チケット切られちゃったの」って元気よく言ったら、胸のところがすうっとして、こころがふわーっとなった。

デイビッドが仕事のメールをチェックしてる間に、わたしはリビングルームで CD かけたりナターシャとおしゃべりしたり遊んだり、キッチンでふたり分のお茶を入れたりしてた。ナターシャはわたしの顔に自分の顔を何度もすり寄せて来る。キスをせがんでる。でも禁止令が出たから、ハグはしたけどキスはしなかった。「今日だけね」って言って。

自分の新しいサイトが出来上がったからって、デイビッドが仕事場から呼ぶ。それから一緒にそれを見て、ウェブデザイナーの人との ICQ の漫才みたいなやり取りにわたしも参加して、別々のことしてても一緒に何かしてても、デイビッドといる時間はほんとに楽しい。デイビッドが全部楽しくしてくれる。そしてデイビッドは、「きみが全部楽しくしてくれる」って言う。おしゃべりが絶えなくて、ジョークが絶えなくて、いつでも一緒に笑ってる。


帰り道、わたしはまた満たされた気分だった。
カダーと会って、おんなじように満たされてたはずなのに。
違うことは、カダーに感じるみたいな甘くて息が詰まるような、そんな幸せじゃないってこと。でも体じゃないぬくもりがあること。

自分のこころがわからない。それは今に始まったことじゃなくて、いつもいつもそうやって迷子になってたけど。だけどもうわからなくったっていいやって気がしてる。いつかもう迷子じゃなくなる日が来る。




-




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail