天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

世の中のものは全部女の子のためにある - 2003年03月21日(金)

夜中の2時半。
カダーが電話をくれた。
カダーの「Hello」があの人の声に聞こえて、最初わかんなかった。
前にもそういうことがあったなって思い出してた。

ディーナにあんなこと言われてから、カダーにもう自分から電話するのが怖かった。
マジシャン・デイビッドとデートした日にやっぱりカダーに電話したくなったけど。

前話したの、いつだっけ。
一週間以上経ってる。
きみの声が聞きたくなったってカダーは言った。
「なんだ、まだガールフレンド出来ないの?」「まだ出来ないよ」「探してるの?」「いいや。最近忙しいしね。きみはオトコ出来た?」。

ちょっと躊躇ってから言った。
「デートしたんだ」。
「へえ」ってカダーは言った。
それから慌てて、「でもわかんない。ごはん食べただけ。まだよくわかんない。好きにならないように気をつけてるの」って、ほんとのこと言っちゃった。

「僕のことはもう好きじゃない?」
「あなたのことはもう好きじゃないかって?」
「うん」
「好きだよ」
「オーケー」。

また言っちゃった。ほんとのこと。安心されたのがちょっとくやしかったけど、自分もほっとしてしまった。それから、そんなこと聞けるカダーが羨ましかった。

なんか話してよって言う。
ダンス教室に行こうと思ってるんだって話した。
「見つけたの。毎日いろんなダンスのクラスがあって、好きなの選べるの」
「何習いたいの?」
「サルサとかクンビア」
「スパニッシュ? なんで?」
ここじゃあ、スパニッシュ話すラテンアメリカのことをまとめてスパニッシュって言う。
「だって楽しいから。あ、でもベリーダンスも習いたいかな」って笑う。
ミドルイースタンのダンス。お尻が大きくなけりゃサマにならないよベリーダンスは、って笑われた。それからベリーダンスは女の子だけのものなのか聞いたら、「そうだよ。ベリーダンスは女の子のものだし、世の中のものは全部女の子のためにあるのさ」ってカダーは言った。

「女は欲張りだからね。なんでも欲しがる」
「男は違うの?」
「男はシンプルだよ。食べることとセックスがあればいい」。

またそうやってうそぶく。
でもそうかもしれない。綺麗なお洋服も甘いお菓子も幸せな時間も優しい思い出も、夢も愛も約束も安心も、女はいつも欲しがる。多分男よりずっと。だからややこしいんだ。だけど世の中のものが全部女の子のためにあるっていうなら、それはちょっと素敵だと思った。そして欲張りな女の子のために男が上手にマニピュレイトしてくれればいい。実際には女がマニピュレイトする方が、世の中上手く行くように出来てるみたいだけど。男はレイジーだから。そうじゃん。シンプルなんじゃなくて、男はレイジーなんじゃん。


わたしはあの日から神さまにお祈りしてた。
もしももしもディーナの言ったことがほんとなら、
どうかカダーからわたしに電話をかけさせてください。

そしてカダーは電話をくれた。
偶然かもしれない。
だけど、
ぎゅっと握り締めてた風船の糸をほっとして放すみたいに、
翼の傷が癒えた小鳥を空へ返してやるみたいに、
わたしはカダーへの想いを自由に出来た気がした。
神さまを信じて、got free from my over-attachment。
ディーナの言ったことを信じるかどうかは別にして。


「世の中のものは全部女の子のためにある」。
そんな言葉、カダーにしか言えそうにない。ちょっとシニカルで批判的で、なのに隠れてあったかい。わたしを一瞬にして幸せにしてくれるあの人の魔法とは比べものにならないしワケが違うけど、わたしやっぱりそんなカダーの言葉をもっとたくさん聞きたいと思った。

そして、きっとまた聞けると思った。



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