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■ 浪人街
くづきは背が低いのです。 満員電車に乗って周り中を背の高い背広の群れに囲まれてしまうと、ギュー ギューと潰されてしまいます。頭の位置に他人の背中が当たったりするので、 当然髪型なんてグチャっとなってしまうのです。 特に今日の通勤電車の混みようは久々の凄まじさで、降りた時には気分的に ボロボロでした。首もあいかわらず痛くて、ロックオン状態だし。 会社に到着してから綺麗に直そうと思い、持っていたゴムでとりあえず髪を 1つにまとめて歩いていた訳です。
そんな日に限って、なんで朝から君に会うんでしょうか。 普段はもう少し遅い時間じゃありませんでしたか? いやいや、朝から会えたのは嬉しいんだよ。でもね・・・
「髪の毛凄い事になってますね( ´∀`)」
穴があったら入りたいとはこの事さー。 ヽ(`Д´)ノウワァァン!! ああ、ユーミンの歌でこんなのあったよね。
さて『浪人街』。 最初にどこかの劇場でもらったチラシに描かれたMAYA MAXの筆絵のインパクト と観音開き仕立てで開いたチラシの中にいた唐沢さんの目の輝きに「惚れたわ」と 思ってチケットを取った舞台。連れはお馴染みの松吉姐さん。
席は前から10列目位の上手サブセンター。メインセットの居酒屋「いろは」 が真正面でとても見やすい場所でした。
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物語は幕末の江戸。日本中がキナ臭くなる時代の一歩手前で、毎日ダラダラと したような日々を送る浪人たち。荒牧源内(唐沢寿明)は、お新(松たか子) に巾着切りで金を貢がせては、のらりくらりと酒びたりと女漁り。母衣権兵衛 (伊原剛志)は片思いのお新が働く居酒屋「いろは」に日々通っている。権兵 衛の親友、赤牛弥五右衛門(中村獅童)は酒が大好きな暴れん坊で同じく「い ろは」でとぐろを巻いているのが日課。 その頃、町では夜鷹を狙った辻斬りが頻発。 下手人は旗本、小幡伝太夫(升毅)、七郎右衛門(鈴木一真)の兄弟とその一 党。彼等は夜鷹を風紀が乱れる悪の元凶と忌み嫌い、また銘刀国広の切れ味を 試す目的で女達を次々襲っていたのだった。 偶然犯人の正体を知ってしまったお新の後見人で「いろは」の主、藤兵衛(田 山涼成)も口封じのために殺されてしまう・・・。
お新は源内に仇を討って欲しいと頼むが、面倒なことにかかわりを持ちたくな い源内はまったく聞く耳を貸さなかった。1人小幡邸へ乗り込むお新だが、何 故かそこには七郎右衛門と仲良くなった赤牛が! 同じころ権兵衛は京へ登る浪士隊の一員として、江戸を離れようとしていた。 囚われの身になったお新を殺すとの知らせにも源内は動かない。 子恋の森では兄を源内に殺されたと思っている七郎右衛門が100人の手下と 共に待ちかまえている。 果たして、お新の運命は・・・・・。
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要はチャンバラ活劇です。 江戸の町でくすぶっている滅法腕が立って、一癖二癖ある浪人たちの日常と最 後の子恋の森での大決闘!を楽しむ舞台。 上のあらすじに荒牧の過去話なんかもちょっと絡んできますが、まあそれはス パイス程度。お話自体はありがちなお約束展開なので深くはツッコミません (^^; 1幕はマッタリしたお江戸コメディな感じ。非常に中途半端なところで幕間に なって「え?ここで休憩?」と松吉さんと思わず顔を合わせてしまいました。 んで、2幕。 うーん、やっぱりクライマックスの「決闘」。コレですな。 この長い長い殺陣を見せる為にこの舞台はあるのですね。 なんだかんだと言いながらも子恋の森へ1人で現れる荒牧。 大勢の敵に囲まれて、それをバッタバッタと斬って行くのがカッコええー!!! 助太刀の為に京へ行かずに駆け付ける権兵衛。彼が現れた時には判っていたけ ど、ゾクゾクッと来るものがありました。
とにかく斬りまくる唐沢@荒牧。途中で足封じの為の油(ホントは黄色のバ○ クリン入りの水らしいです)をかけられちゃったりしながらも、お新の為にバ シバシ斬っていきます。殺陣の手数凄いなー。これは斬られる側の人たちも上 手いんだな。30人位の斬られ役の人たちが入れ替わり立ち代わり襲ってくる ので迫力ありますわ。 唐沢さん、1幕での獅童@赤牛との小競り合いなどでは「あまり殺陣が上手く ないなぁ・・・」と思ってしまったんです。これはお互いに段取り通りに動く 事に気がいっちゃってたからなのかなぁ。決闘シーンでは斬られる側の実力に おまかせ!って感じの思い切りの良さが感じられて、観ていても気持ちよかっ たです(^^) 殺陣で刃を交えるところで効果音が入らないのは微妙なところ。ここで入れ ちゃうと劇団★新感線になっちゃうけど、入れた方が殺陣そのものも3割り増 し位カッコ良く見えたかも。(けれど階段バトルでは斬りあうと火薬の火花が バチバチ飛ぶのよね。この演出は良くわからないなぁ・・・)
対して居合い系の剣術使いの伊原@権兵衛。 こちらの方は見た目が新鮮でした。敵との間合いが少しでもできると、必ず刀 を一旦鞘におさめるんですよ。 そして、再度距離をはかって斬りにいく。周り をグル〜っと敵に囲まれたシーンではお互いに斬り込むタイミングを計ってい る緊張感があってよかったなぁ。そして、お約束のように周囲の敵を一気に 斬って、刀を鞘にチンッと収めた瞬間に敵はバタンと倒れる、と(笑)。 槍隊との竹藪の中での斬り合いでは「ブシドーブ○ード」とか思い出しちゃっ たぞ。 何気に対戦相手によって小幡側もちゃんと違う武装で向かっているのがくづき の中ではポイント高かったです。(近付けば斬り付ける荒牧には弓矢隊、居合 いの権兵衛には槍隊って事です)
獅童@赤牛は最後の肉弾戦担当。美味しいところ一人占めでした。 逃げた3人の為と七郎右衛門の為にキッチリ型をつけるぜ!って感じで向かっ て行く姿がカッコいいのよー。彼の赤い着物が血飛沫で更に赤く染まり、それ でも何度も立ち上がる姿を観ていたらちょと泣けました。 このシーンは周りの斬られ役の人たちもいい芝居しててさー。 何度斬り付けても向かってくる赤牛に怯えた奴、なんとか主の仇を討とうと斬 り込んで行く奴、こちら側はこちら側でのドラマがある感じが良かったですよ。 最後の「酒持ってこーいっ!」でガクッと死ぬところは素敵すぎですよ、獅童さん。 前半の時々捨助くん状態の愛嬌たっぷりの可愛らしさとのコントラストが印象 に残りました。この物語の中で一番「くすぶってる感」があったのが赤牛だなぁ。
他のキャストでは小幡の兄者。升さんの「アヘンで千鳥足」のフラフラ動きに は爆笑させていただきました。オッサン、可愛すぎ!でもあの死に方は・・・、。 悪人はマヌケな死に方をするのが時代劇のお約束ですか。 小幡の弟、七郎右衛門は鈴木一真さん。 育ちが良くて、頭悪そうなイイ奴(笑)って七郎右衛門でした。赤牛と喧嘩して 仲良くなっちゃうって展開もこの人ならありそうだ。 酒のみシーンでは樽の酒を本気で赤牛にかけまくってましたな。
お新の松さん。 チャキチャキのお嬢で私は好きですね。ろくでなしの荒牧とは似合いの感じ。 荒牧が他の女といるときでもお新の顔が浮んでくる・・と言いますが、確かに松さん の明るい表情は印象が強くてお新の生き生きした姿を鮮明に浮び上がらせています。
荒牧と訳ありの女、千鶴は田中美里さん。清楚な雰囲気に隠れた色香が良い感 じでした。唐沢@荒牧に「それはそれ。これはこれ。」と言われた時のちょっ と困ったような顔が○。
千鶴の義理の弟、一馬は成宮寛貴くん。「美少年」なイメージがあった成宮く んなんですが、久しぶりに舞台で観たら声や身体の動きが随分男っぽくなって ました。なので、あの少年侍みたいな髪型はイマイチ。途中まで千鶴の実の弟 かと思っていたので、途中から千鶴とくっつけモードに荒牧が持っていったの で「ありゃ」と思いました。うーん、そういう展開にするならやっぱりもう少 し見た目を・・・千鶴と並んで絵になるような風体にしておいた方が良かった んじゃないかなぁ。せっかく、成宮くんの演技は大人っぽくしてたんだから。 でも、カーテンコールで出て来たら途端に線が細く見えてちょっと安心(笑)
今回の演出は東宝ミュージカルでもお馴染みな山田和也氏。 時代劇ではあまりないようなセットの動かし方が「あ、山田さんっぽい」とか 思ったり。派手に見せる方向性、でも意外にオーソドックスで大冒険はないっ てところでしょうか。
最後に富士山の前のやりとりを観ていて思った事は「あ、これって『ルパン三 世』なんだー」って事。(山田さん達がパンフで話してる「素浪人 花山大吉」 を知っている人にはそれに当たるのかな?私は見た事ないので代わりに『ルパン 三世』なイメージ〜)全体のノリがそういう肌触り。 派手で面白くて、ちょっと泣けて最後はとりあえず青空なところ、かな。
重厚な時代劇を想像して行くと肩透かし、でも勧善懲悪(けどヒーローもワル) なチャンバラ好きには溜まらない舞台でした。 カーテンコールで前日に映画「スパイダーマン」のプロモをやっていた獅童さ んは花道まで出て来て蜘蛛の糸をバーンと投げてくれました(^^) 獅童&伊原は投げキスもしてましたな。 本編でもお茶目なSの荒牧だった唐沢さん。「また来週〜」って元気に挨拶。 そうか大型セットでノンストップ派手舞台ってドリフか!ドリフも入っている のか!!! ハッ!「いろは」の壁の物がやたらと落ちたり、喧嘩シーンで机に突っ込むの はソレなのか!!!って最後の最後にもう一笑いさせていただきました。
8月にWOWOWで放送があるらしいです。 劇場へ足を運べなかった皆様で見られる方は是非気楽な気分でお楽しみくださ いませ。
家に帰ったらNHKで宮本亜門さんの特集で『INTO THE WOODS』に挑む SAYAKAちゃん達のドキュメンタリー。 途中から見たのだけど舞台面白そうですねー。 来週の23日のチケット取ったので観に行ってきます(^^)
2004年06月18日(金)
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