早すぎた青田買い?^^


 過去 : 未来 : メール 2004年11月30日(火)


いつも読ませてもらってる同じエンピツのamiさんの日記で高校時代の同級生が人気のあった恩師と結婚されて、同窓会で久しぶりに逢ったその先生の姿に幻滅(?)したというお話があった。

それを読んでて、私の周りにはそういう子はいなかっただろうかと考えた。

高校3年のときに教育実習に来てた先生と結婚した親友。
でもそれはちょっと違う。
 

でも、高校ではなく大学の教授のことを思い出した。

英文科のI教授は45歳の独身だった。
ゼミ室は本や書類が山積み。
いつのかわからないお菓子やゴミ。
年の割りに多い白髪。
片手にはタバコと財布の入った小さな古ぼけたかばんを持って腰を曲げて歩く姿。


そんな人が実は、シェイクスピアを愛する、かなりのロマンチスト。

「僕に彼女がいたらいつもポケットに入れて歩きたい。」

と真顔で言っちゃう人だった。


純朴??


その教授に、私が1年のときの4年の先輩と結婚するという噂があった。

その先輩は色白でぽっちゃり方。物言いがはっきりしている人。

よくゼミ室で二人っきりでいた。

教授には猫のような声を発する人だが、私たち後輩には見下したように対応した。

「私が結婚するなら医者か教授よ。」と豪語していた。

宣言していた通り、その先輩は卒業と同時に結婚した。

偶然、友達が春休みに「大学をやめます。」とゼミ室で挨拶に行ったとき、

「そうか。残念だな。ゆっくり話をしたいが、これから結婚式に行くんだ。」

「お友達の結婚式ですか?」

「いや、僕の。」^^










結婚してからすぐに子どもを産んだ。

教授はもう嬉しくて仕方ないらしく汚い狭いゼミ室に更に所狭しと写真を飾った。
教授も先輩もとても幸せそうだった。

私たちが卒業してから二人の子どもが生まれた。

学園祭に出掛けると必ずその親子に逢った。

彼女は見る見る間に貫禄のあるおデブさんになり、教授がますます小さく見えた。



私が4年生の頃全く家庭的でない教授は
「最近、奥さんがヒステリックに怒るのが気になる。」とよく言っていた。




大学を卒業仕立ての頃は誰もがあこがれる「華々しい結婚」をし、若い奥さん、お母さんは周りから教授の奥さんとしてももてはやされた。



でもたかが無名私立大学の一教授との結婚はさほどのものでなかった。

友達がどんどんキャリアを積んで大人の女性になっていった。。

そんな中で自分は夫の手助けはなく、自分一人で子育てに専念した。

イライラするにはよくわかる。






何年か後にゼミのOG会をやることになった。


先輩も出席。
二次会は子どもの世話があるからと欠席。


「彼女ずいぶん変わっちゃったんだよ。。。。。。」

帰った後で教授は呟いた。







社会に出す前に自分のポケットに彼女を入れてしまった教授の誤算。
教授の妻の座に付けさえすれば、何もいらないと思った先輩の誤算。




でも3人の子どもたちが二人を繋げる。




そういえば、あの教授、定年退職。


OG会でも開こうかな。。。。。










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