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2003年02月18日(火) かみさまのくれたきっかけ

小沢健ニの「犬」を聴く。

地味だけど大好きだ。



ある春の日。

シブヤPARCOの前でまちあわせ。
お茶を買って、さんかくすわり。
「あったかいねぇ」
「たいようわらってるよー」

彼はたいようよりも、わらってた。



トんでるあたしは、
微妙にハイで、


「きのー親とけんかしちゃった。いつものことなんだけどねぇ。
あたし親不幸者なんだって。ショーガイシャとかの方がまだ良かったんだって。こんな子が産まれてくるなんておもわなかったんだって」
とけらけら笑って、
「今日こんなんでごめんね。長袖着てくるのわすれちゃったぁ」
と、左手首のめちゃくちゃに切った傷痕を指した。

彼はきがついてなかったようで、
目をまんまるくしていた。


「ごめん、しらなかったんだ」

とあたしが云うと、
彼はだまったまま、
胸に付けていて
大切だと云っていた、
かわいい猫をくれた。

「あげるよ」
「えっ、   
いいよ。こんなかわいくてだいじなもの」

「いい。あげたいから、あげるよ」


それはいままでのどんなことばよりも
あたしの傷や心にしみた。



その日その時をきっかけに、
あたしは
自分の体を傷つけなくても
生きていけるようになった。

今でもゆれると、
彼のそのときの睛をおもいだす。

白い傷痕がのこる、
左手首を 
もう大丈夫だよと
撫でながら。 


るう |MAIL




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