TENSEI塵語

2007年04月24日(火) 春の枯葉

昨日もきょうも冷え冷えした風が吹き、職場の正門あたりには
放っておいたら敷きつめられそうなほどの枯葉が散っている。
一見、秋の風情である。
この枯葉を散らしているのは何ていう木だ? と尋ねたら、
4人目に尋ねた人が知っていて、楠だと言う。
「春の枯葉」なんて、太宰が皮肉っぽくつけた戯曲の題名だけだと
長年思っていたけれど、実際に存在していたのだ。

その傍らで、つい1週間ほど前までは、葉が1枚もない枯れ木だったのに、
たちまちにして透き通るような若葉が茂っている木がある。
毎日眺めていると、その勢いに驚かされる。
まさに「萌え出づる」という風情であるし、
青空の下で見上げると、「青葉若葉の日の光」の風情である。
尊く美しい生命の息吹を感じさせてくれる。
この木は何だ? と尋ねたら、
やはりその4番目に尋ねた人が、欅だと言う。

自然の営みは、返す返すも不思議だ。
春に葉を出すやつもいれば、まず花を咲かせて葉を出すやつもいれば、
春に葉を枯らせて落とすやつもいる。
一体全体、誰がそんな企画を練ったんだいね、、??


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