TENSEI塵語

2005年11月09日(水) 背後のスピーカー

いや、もう、まったく、異様な体験の3分間であった。

朝礼で話をするはめになった、その最終決定は一昨日のことだ。
夏休みの読書感想文の講評をしなさい、ということであった。
体育館が夏休みから2月まで使えず、朝礼は外のグランドである。
前々から、外で話すようなことじゃないから、と辞退していたが、
何か、去年からこうすることに決まってるそうで、
頭の堅い人たちの集まりだから、なかなかそれを断念できないようだ。

前任校で、グランドの指令台で話さねばならなかったのは、
7年ほど前に生徒会部の主任になった年だけである。
その時、話しにくくて、毎回大いに困惑していた。
指令台の背後に校舎があり、そこにスピーカーが取りつけてあって、
背後からのスピーカーの声に煩わされて困った、、、そんな記憶がある。
だから、あの年、グランドで話すのは億劫でしょうがなかった。
そんな印象も何となく残っていて、今回も億劫でしょうがなかった。

3分間で話せ、とのお達しなので、一応、ゆっくり読んで2分40秒ほどの
原稿を書いて、暗唱まではしなかったけれど、流れだけはつかんでおいた。
結婚式のスピーチなど頼まれたときにやる手である。
朝、車の中で話の流れを2回ほどたどってみて、確認しておいた。
もっと長い講話を頼まれたときはこんなことはしない。
要点だけ書いたメモを用意して、後はほとんどその場で浮かんだ話をする。

で、時間が来て、指令台に上がったのだが、
話し始めて最初の2区切りを発しただけで、もう混乱してしまった。
ここでも、背後からのスピーカーの声に混乱させられてしまうのだ。
微妙に遅れて聞こえてくるスピーカーからの声が、
自分が一言発するたびに耳元で大声で茶々を入れられている感じだ。
その瞬間瞬間に、自分が今何を話したかを忘れてしまって、
次の言葉が出てこない。
スピーカーの声に負けまいと少し声を大きくしてみたら、ますますひどい。
まだ3センテンスしか話さないうちに、もういい加減にしてくれぃ、
静かにしてくれぃ、って感じで、イライラして逃げ出したくなった。
いつまでも執拗に追いかけてくる魔物のような感じである。

後から思うに、前任校の時よりもスピーカーが遠いので、
その微妙な遅れ加減が、ますます異様な感触だったのかもしれない。
とにかく、何を話したか何も覚えていない状態で混乱のまま終わったが、
たぶん、覚え込んでいたことをつなぎあわせて何とかしのいだのだろう。
台を下りたら、係の先生が、4分だと言った。
次の言葉が出ずに困った時間の合計が1分以上もあったらしい。
まー、ホントにこりゃたまらんわ、と、つくづく思った。

校長講話が先にあったので、校長に、気になりませんかと聞いてみたら、
首を傾げて笑っていた。
プロは違うねー、と讃えておいたが、耳が遠いんじゃないの?と心で言った。

そんなわけで、朝っぱらからもう実に気分の悪いイライラ気分に陥ったが、
それとは裏腹に、授業ではいつもよりも調子よく雑談などもしていた。
あいかわらず、寸暇を惜しむ忙しい一日だった。
授業後も、小論文指導と面接指導の生徒が次々に来るし。。。
夜は、息子に数学を教えてから、、、堪らず、2時間ほど宵寝をした。


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