昨日何冊かの本とともに「23分間の奇跡」も届いたので、寝る前に読んだ。 読むのに費やした時間も、23分だったかもしれない。 残念ながら時計を見ていなかった。
戦争で負け、占領されたある学校のあるクラスでの物語である。 子どもたちのドラマだが、大人が読んで考えるべきドラマであろう。
新しい先生がそのクラスにやってきて、古い先生を追い出し、 最初の授業を始める。 国旗に忠誠を誓うことをしつけられた子どもたちに、 「誓う」とはどういうことか、「忠誠とはどういうことか」と問いかける。子どもたちは今まで、意味もわからないままやらされていたのだ。 新しい先生はそんな子どもたちの安易な観念を次々に壊して行く。 今まで理由もなく押しつけられていたことから子どもたちを解放し、 今までわけもなく禁じられていたことから子どもたちを自由にする。 すばらしい教育である。 しかも、この先生は子どもたち1人1人の心をとらえる術を知っている。 この新しい先生に反発を感じ続けていたジョニーさえ、 ついにはこの先生を信頼するに至る。 「この先生は嘘をつかないで、なんでもほんとうのことを言う」と。。。
ここまでが約23分だというわけだ。 なかなか感動的な奇跡の23分間である。 しかし、最後の先生の胸の内は、我々を素直に喜ばせない。
「ここまでのやり方はすべて教えられたとおりに運んだまでのことだ。 しかし、これで子どもたちはあたしのいうことをよくきくようになり、 りっぱな市民として育っていくだろうと思った。 (中略) 先生の胸が熱くなったのは、さんさんとあたる太陽のせいではなかった。 先生は、この学校の、いや、この土地の、すべての子どもたち、 すべての男や女たちが、同じ信念をもって、同じような手順のもとに、 教育されていくであろうことを思うと、胸が熱くなるのだ」
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