TENSEI塵語

2005年05月10日(火) 経済学入門

現代文の教材に「この村が日本で一番」という教材がある。
やせ地が広がり畑作が無理な上に、牛を養える草の生産力もない現実を
嘆くこともなく、かえって「山羊を飼うのに適した土地だ」と誇っている
フランス・ラルザックの村人の話から始まっている。
「山羊しか飼えない」と嘆いているのではないという驚きから始まるのだ。
筆者は同じ思いを、群馬県の山村のある老婆の言葉にも抱く。
「この村から一度も出たことのない私が言うんだから間違いない。
 この村が日本で一番よいところだ」
確かに不思議な言い方である。
「この村から一度も出たことはないけど」ではないのだ。
「出たことはないから」はっきり言えるんだ、という自信である。

全体は、だいたい次のような要旨である。

人間は、生まれた地域の自然や歴史、文化とともに存在しているのであり、それらとのかかわりの中で自分を作り出している。そこでは、自分たちの暮らす地域は、絶対的である。
現在、我々は、グローバル化していく市場経済の中で、他の人々と交換可能な労働の世界で働き、交換可能な地域で暮らしている。市場経済が拡大すればするほど、人間は自分の確実な存在を見つけ出せなくなる。私たちは自己の関係する世界を見失ってはならない。

教科書の文章としては珍しく明快な論を進めていく。
しかし、私の弱点のひとつが、経済分野である。
この4ページの評論を読む限り、かなり納得できるのだが、
市場経済なるもののあり方が今ひとつわからない。
どーすんべー、、、と悩んでいて、ふっと思いついたのが、
橋本サイトの、何でも研究室の「経済学入門」である。

以前ざっと走り読みしたときには、どうということもなく済んだのだが、
こういう問題意識を持って読んでみると、いろいろと興味深い。
しばらくこれを熟読して、理解を深めてみようという気になった。

勉強にもタイミングというものが大事である。
学校という場所は、一斉授業をするしかないので、それを無視する。
こういう意味でも、学校というところはかなり暴力的だな、と思う。


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