TENSEI塵語

2005年02月16日(水) 過剰反応

17歳の不登校〜無職少年が、母校の小学校を訪れて、
案内の先生はじめ3名を包丁で刺し、1人が死亡、2人が負傷という事件が
一昨日起こって、学校の安全問題が再燃している。
昨年の、学校とは無関係な男が小学校に侵入して児童を乱殺した後は、
多くの学校で、門を閉めるとか来訪者は名札をつけるとか対策が取られた。
あれがまだ記憶に新しいうちに今回の事件が起こったので衝撃は大きい。
けれども、今回の事件を見る限り、それ以上の対策を講じても無駄のようだ。
今回の事件は、卒業生が当時の担任を訪ねて来たという形を取っている。
入るな、と言える状況ではない。
二重三重の関所を作ったとしても、中に入れたであろう。
それとも、来訪者はすべて、空港のチェックのようなことをするのだろうか?
とにかく、普通の卒業生と同等に応対していたら、刺されたのである。
こんな卒業生の来訪は、何万分の一のケースであろう。
ただ、外部から入り込んだ人物による学校内での殺傷事件が続いたので、
神経過敏にならざるをえないのだ。

新聞やニュースで報じられる犯人の少年の供述は、
小・中学時代にいじめられていた時に、担任が助けてくれなかった恨みだと
いう動機になっている。
少年の親も、当時の担任も、その供述に思い当たるところがないようだ。
しかし、彼らの思い当たらないところで、
少年の精神にとっては、それが現実だったのかもしれない。
とりあえずは、供述を信じるしかないのだ。
しかし、私が事件を知ったときから考えていたのは、ひとつの可能性として、
最初から教師殺害を目的として母校を訪ねたのだろうか? ということだ。
とにかく無性に人を殺したくなった、、、誰でもいい、、、それで、
本当は、殺しやすいか弱き児童を思い描いていたのではないかということだ。
ところがあの時、無防備な教員の姿が目の前にあった。
教室に乱入するよりも、もっと簡単な餌食が目の前にあった。
それで即座に行動に出た。。。
供述した動機は、尋問されつつ作り上げられたものかもしれない。
自らの失敗を合理的に説明するために、我々もしばしばやる意識操作である。

私が心配するのは、こうして大騒ぎすることによって、
連鎖反応を呼ぶ恐れがある点である。
報道の扱い方を誤ると、流行やブームの口火になりかねない。

本当に学校を安全な場所にしたいと願うなら、
特に小・中学校は教員数をもっと増やした上で、
各学校に数名の警察官を常駐させるしかないであろう。
それほど太っ腹な政策をとることができるのかな?
どれだけ大騒ぎしても、安上がりで中途半端な対策しか許されないのだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


TENSEI [MAIL]