TENSEI塵語

2005年01月17日(月) 白鵬(3)

きょうの千代大海戦は、白鵬にとってひとつの関門だったろう。
過去2度の対戦は2度とも負けている。
ラジオで聞いていた限りでは、かなり激しい攻防だったようだ。
アナウンサーが懸命にまくし立てていたようだが、ほとんど聞こえない。
場内の歓声がすさまじかったからである。
勝負がついたらしいとわかってからも、なかなか白鵬の勝ちときこえなかった。

当然夜中のダイジェストを見ないわけにはいかない。
その対戦は、想像していた以上に激しい攻防だった。
千代大海はおそらく、先週何人かの力士に一気勝ちしたほどの、
激しいつっぱりで攻め込んでいたに違いない。
白鵬の方も土俵際でそのままひっくり返ってもおかしくないほど、
危ない体勢になったりしている。
けれども、全体としては、右にかわし左にかわししながら、
すきあらば突っ張りのお返しをし、喉輪から一気に押し出した。

7日目、土曜日の若の里戦だけは、いきなりの強烈な張り手に動揺したか、
なすすべなく一気に負けてしまったけれど、他は全部善戦している。
初日の朝青龍戦だって、本人も負けたという実感がないに違いない。
とにかく、相手の動きを実によく見ている。
相手の動きしだいでとっさに技を繰り出しているようだ。
どんなに激しく攻め込まれても、下半身が土俵に吸いついているかのように
安定していて、柔らかい体が攻めをかわしている。

明日の新聞のスポーツ欄ではきっと白鵬を賞賛する批評が載るだろう。
日本人力士が情けない、という論評もあるかもしれない。
けれども、私には、日本人云々は関係ない。
いい相撲を見せてくれる力士を見たい。
白鵬にかける私の期待は、朝青龍の若手時代以上である。
それから最近、もうひとり注目しているのは、琴欧州である。


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