きょうの千代大海戦は、白鵬にとってひとつの関門だったろう。 過去2度の対戦は2度とも負けている。 ラジオで聞いていた限りでは、かなり激しい攻防だったようだ。 アナウンサーが懸命にまくし立てていたようだが、ほとんど聞こえない。 場内の歓声がすさまじかったからである。 勝負がついたらしいとわかってからも、なかなか白鵬の勝ちときこえなかった。
当然夜中のダイジェストを見ないわけにはいかない。 その対戦は、想像していた以上に激しい攻防だった。 千代大海はおそらく、先週何人かの力士に一気勝ちしたほどの、 激しいつっぱりで攻め込んでいたに違いない。 白鵬の方も土俵際でそのままひっくり返ってもおかしくないほど、 危ない体勢になったりしている。 けれども、全体としては、右にかわし左にかわししながら、 すきあらば突っ張りのお返しをし、喉輪から一気に押し出した。
7日目、土曜日の若の里戦だけは、いきなりの強烈な張り手に動揺したか、 なすすべなく一気に負けてしまったけれど、他は全部善戦している。 初日の朝青龍戦だって、本人も負けたという実感がないに違いない。 とにかく、相手の動きを実によく見ている。 相手の動きしだいでとっさに技を繰り出しているようだ。 どんなに激しく攻め込まれても、下半身が土俵に吸いついているかのように 安定していて、柔らかい体が攻めをかわしている。
明日の新聞のスポーツ欄ではきっと白鵬を賞賛する批評が載るだろう。 日本人力士が情けない、という論評もあるかもしれない。 けれども、私には、日本人云々は関係ない。 いい相撲を見せてくれる力士を見たい。 白鵬にかける私の期待は、朝青龍の若手時代以上である。 それから最近、もうひとり注目しているのは、琴欧州である。
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