大相撲の2週間は、帰りのラジオで相撲を聞くことが多い。 今場所の目玉は、魁皇が横綱昇進を賭けていることだったが、 私はほぼ毎日仕事帰りにラジオを聞いていて、白鵬の躍進が気になった。 先場所1度だけ見たが、やくざっぽい面構えが気に入らなかった。 取り口の方も、それほど印象に残るものではなかった。 その白鵬が、「日に日に力を伸ばすような成長ぶり」だと言う。 新人力士にはそういうことがしばしばある。 琴光喜も出島も雅山も、そんなじきがあったけれど、その後勢いを失った。
一昨日は休日だったせいもあって、夕方終盤のいくつがの取り組みを見た。 白鵬が、横綱昇進をめざす魁皇を破った。 その取り組みを見て、印象をがらりと改めた。 粘りもあるしなやかな動き。 相手の攻撃を真正面から受け止めながら、攻めに転じて行くしぶとさ。 その動きは決してバタバタすることなく、いい型を守っている。 千代の富士や貴乃花親子の相撲を連想させた。
貴乃花引退後、朝青龍の相撲は強いけれど、横綱的風格に欠ける。 これこそ相撲のお手本だぞ、というほどの風格がない。 一時期、若の里こそ横綱になってほしいと願った時期もあったけれど、 今ひとつ強さに信頼が抱けないまま何年かが経ってしまった。 これといった力士がいないなぁ、と思っている中に、白鵬が現れた。
昨日白鵬は、全勝の横綱朝青龍に勝って、若の里と共に3人、1敗を守った。 この勝負も上手い相撲だった。 しかし、きょうは不調の大関千代大海に負けて、若の里と共に2敗に下った。 ラジオでその模様を聞いていて信じられなかった。 昨日・一昨日のような取り組みをして、何できょうの相手に負かされるのだ?
夜中のNHKのダイジェストを見た。 千代大海の渾身の突っ張りをまともに受け続けても、下がりきらない。 最後に俵際で組んだ、、、そして、押されながらもうっちゃろうとしたが、 一瞬間に合わなかったような負け方で、決して一方的ではない。 しなやかな体の動きは、相変わらず発揮されている。
この19歳の新鋭力士は、相撲の新しい楽しみをもたらしてくれた。
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