| 2004年10月13日(水) |
「いま、会いにゆきます」 |
土曜日に北さんが日記にこの本を読んだことを書いていた。 http://www.ctk.ne.jp/~kita2000/zakkicho.htm あらすじはざっと書いてくれてあったけれど、結末は書いてない。 見事すぎて書いてはいけない、 これから読む人たちのために結末を知らせてはいけないらしかった。 さっそく楽天ブックスに注文しておいた。
夕方帰ったらそれが届いていたので、さっそく読み始めた。 夕飯の用意と夕飯をはさんで、10時前までに一気に読んでしまった。 こういう文体嫌いだなー、と随所に感じながらも、 その文体ゆえの良さもまた随所に感じつつ、読み続けた。 今ひとつ登場人物の存在感が薄いような感じを受けつつも、 時にはちょっと涙ぐみつつ読み進めた。 たぶんその存在感の薄さは、あまりに人物が類型的すぎるからだろう。 類型的すぎるというか直線的すぎるというか。。。 けれども、とにかくおもしろく思いつつ読み進め、結末にも驚き、 読んでいる途中からヒロインを愛おしく思うようにもなった。
おもしろく読まざるを得なかった一番大きな理由は、 この死んだはずの妻が現れた、幽霊とは思われない、じゃあ何なんだ、 という大いなる疑問のためである。 その疑問が結末部分で明らかになるわけだが、 私の場合はそれをどう受け止めるべきか、いささか葛藤があった。 こう来たかー、ちょっと待ってくれよ、、、という思いもあったが、 結局は、このヒロインのひたむきな心に屈服した。
読み終えた直後よりも、しばらく反芻しているうちに、 悲哀と幸福の混じり合った感情が膨らんだ。
すでに映画化され、今月末からロードショーだそうである。 映画館に見に行くかどうかわからないけれど、 どう映像化されているのか、楽しみである。 妻役は竹内結子だということで、ぴったりのような気がする。
ちなみに、今夜はこの本に割り込まれたけれど、最近読み継いでいるのは 村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」である。 実に不可思議な設定という点では、上記の比ではない。 現実に即した要素もあるが、基本的に、そりゃ何じゃ? の世界である。 けれども、登場人物の存在感が、やたらと濃いのが不思議だ。 これもとてもおもしろいのだが、さっさと読み進めることができない。
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