TENSEI塵語

2004年08月29日(日) マラソンの妨害が、、?!

今夜もついついマラソンを見て夜更かしである。
そう劇的な瞬間というものがあるわけでもないのに、
ついつい画面を見つめ続けてしまうのが不思議である。

ところが、思いがけない、信じられないような瞬間に遭遇した。
2位以下に40秒以上の差をつけてトップを走っていた
ブラジルのリマという選手が、ゴールまであと7キロほどという地点で、
いきなり現れた一般人に歩道に押し込まれてしまった。
歩道の観客に助けられたか、彼はすぐに走り始めたけれど、
それまでの勢いは失っていたし、苦しそうな表情に変わっていた。
かなりのダメージだったにちがいない。

彼はそれから2、3キロほどの間に2人の選手に抜かれてしまった。
それを挽回する力はもう残っていなかった。
走るフォームも変わってしまったその表情を見ながら、
その妨害された心中に思いをめぐらせずにはいられない。
妨害した犯人の情報がぜんぜん入らないのも不思議でしょうがない。
こういう場合はどうなるのだ?? と考えてみても、
観客のマナーというものはあっても、ルールというものはないから、
どうすることもできないのだろうか。。。
何とも釈然としない勝負になったものだ。
1位を独走しているイタリアのバルディーニにしても、
その事実を知ったら、金メダルを手放しで喜べないに違いない。
ましてや、リマ自身が不平を訴えたりしたら。。。。

3位でリマがゴールの競技場に入ってきたとき、
あの妨害のハプニング以上に驚かずにいられなかった。
彼は、笑顔で両手を上げて観客に喜びを表した。
ゴール直前の直線では、蛇行してお茶目をしながらゴールに向かった。
マラソンでは、ブラジル発のメダルだそうである。
メダルが取れて嬉しい、という、あの妨害者のことを忘れさせるほどの
潔い態度に感動したのは、世界中の大多数だろう。

それにしても、なぜあの犯人についての報告がないのだろう?
選手は大会までの長い期間、コンディションを整えるのに神経を使い、
万全の状態を作り上げて、微妙な駆け引きをしながら競技しているのだ。
そうして作り上げていたペースを一挙に崩してしまったのである。
この犯罪者を許せるはずがないではないか。
あれから1時間以上経つ今も、犯罪者についての報道がないのは、なぜだ?


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