6月にこの近辺に台風が来ることは珍しい。 たいていは大陸の方に行ったり、九州の西の方を通ったりして、 ほとんどこちらには影響のないことが多かったような、、と思ってたら、 テレビの天気予報でその理由を説明してくれた。 普通は、梅雨前線が日本列島の南にあって、その南を高気圧が支配している。 だから、台風が日本列島に向かうことができない。 ところが今回は梅雨前線がうんと北の方にあり、高気圧が東に位置していた。 それで、今回の台風はその高気圧の西側の境界を辿るように進んだそうだ。 高知に上陸し、兵庫あたりから若狭湾に抜け、新潟の海上を北上している。 このあたりでは、午前10時過ぎから風雨が始まり、 昼から夕方まで、直撃かと思われるほどの激しい風雨に包まれた。 かなり遠くを通っているはずだったが、それだけ大型だったのだろうし、 台風の進路の右側にあたる方が左側よりも影響が大きいそうである。
警報が出たのが午前10時である。 それまで時折強い風が吹いていたけれど、雨はほとんど降ってなかった。 警報が出て、職員が集合したころから雨が降り始めた。 生徒たちに帰宅するよう指示したころには、風雨が強くなっていた。 朝から心配していたとおりになった。 何度この過ちを繰り返すのだろうか? 警報が出たらすぐ帰宅させることになっているけれど、 多くの場合、それは、危険になるのを待って外に放り出すようなものだ。 びしょぬれで帰らせるためにわざわざ学校に待機させるようなものだ。 日ごろは、生徒の安全第一、と言いながら、なぜこうなのだろう?
生徒がまだ自宅にいる状態で、登校するかどうか判断する基準として、 暴風警報が出ているかどうかというのは、これは妥当な判断基準だと思う。 一人一人に指示できないから、個々に判断してもらうためにはわかりやすい。 けれども、登校してきた生徒に指示するのに、警報にこだわる必要はない。 それはこちらで状況判断して、生徒に伝えればいいことである。 きょうなどは、警報が出ることも暴風に見舞われることもわかりきっていた。 そうして風雨が荒れるのを待って、そこへ生徒たちを放り出したわけだ。
教育委員会のお役人たちは現場を忘れた怠けもんの集まりだから、 警報が出たら速やかに帰宅させなさい、と指示して、 最適な指示ができているつもりでのほほんとしている。 現場の生徒の安全については、現場の学校の責任である。 何かあったら、学校の対応に非がなかったか、責任を問うだけである。
妻の勤める一宮の小学校など、最悪のケースである。 センター給食だもんだから、それをなしにするわけにも行かないのだという。 警報が出てからも、授業は取りやめたものの、給食が届くまで待機、 そして、給食を食べてから集団下校なのだという。 集団下校のために体育館で地域別に集合・点呼しているさなかに、 子どもを迎えに来た親のために子どもの呼び出しなどをして更に遅れ、 昼過ぎの暴風の中を、教師引率で集団下校である。 給食を食べさせてからと言うのは、市教委の命令なのだそうだ。 作った給食を全部余らせたりすれば、給食センターが黙ってはいないからだ。
ホントにもう、お役所的形式主義にはあきれることばかりだ。 一宮市教委は、昨日までのうちにセンター給食をストップして、 今朝の時点で警報が出てなくて児童が登校しても、 すぐに帰らせるように指令を出さねばならなかった。 万一、一夜のうちに台風が消滅するとかとんでもない遠くに進路を変えても、 午前中に帰らせれば済むことである。 その、ほとんどあり得ない可能性のために、給食の用意をさせるとは、 何という判断力の鈍さであろうか。 愛知県教委だって、給食の件を除けば同じである。 こんな上司のもとで右往左往していることが、ほとほと情けなくなる。 今回に限ったことではないけれど。。。
|