起きたのが10時半で、そのころには人質解放の声明が報道されていた。 NHKニュースの、人質犯側からの声明の要旨はこんな風である。
「小泉首相の発言は傲慢である。 我々は、日本の政府が国民の意見を代表しているのではないことを知った。 また、拘束した3人が、イラクの支援者であることとその家族のことを、 アルジャジーラの報道などから知った。 イスラム教スンニ派の指導者の説得に応じて、 日本人3人を24時間以内に解放することを決めた。 親愛なる日本国民は、日本政府に圧力をかけて 自衛隊をイラクから撤退させてほしい」
また、今見つけた朝日新聞サイトでの要旨はこうなっている。
「我々は、3人の拘束に関して、市民の生命を軽視する日本政府の姿勢を 大きな苦痛を伴って聞いた。 日本政府は、日本国民に対して最低限の敬意を払っていない。 ましてや、イラク国民の命について敬意を払っていると言えるのだろうか。 日本政府の指導者が高慢な発言をしたことなどから確かなことは、 日本の政治家たちは、国民の意思を反映しているのではなく、 ブッシュやブレアの犯罪的な振る舞いに従っているということだ。 我々は、日本の国民の声に耳を貸すことにした。
米国は広島や長崎に原子爆弾を落とし、多くの人を殺害したように、ファルージャでも多くのイラク国民を殺し、破壊の限りを尽くした。ファルージャでは、米国は禁止された兵器を用いている。
我々は外国の友好的な市民を殺すつもりはないと全世界に知らせたい。 なぜなら、我々はイスラム宗教者委員会が我々に殺害を思いとどまるよう 求めたことを今晩の報道や特別な情報源から知ったからだ。
我々は、(3人の)日本人たちが占領国に汚されていないことを確認した。 (人質の)日本人たちがイラク国民を応援していることや、 家族の悲しみを考慮し、日本国民の姿勢も評価して、次のことを決めた。
(1)我々は、イラクのイスラム宗教者委員会の求めに応えて、 3人の日本人を24時間以内に解放する。
(2)我々は、親愛なる日本の民衆に対して、日本政府に圧力をかけ、 米国の占領に協力して違法な駐留を続ける自衛隊をイラクから 撤退させるよう求める。」
ここまで見る限りでは、もっとも可能性が薄いと思われていた 最高の平和的解決に向かったという喜ばしい進展である。 こういう紛争の中にあっても、〈理解〉ということがありうるのだと、 新たな希望を感じさせてくれる進展である。 しかも、上の声明文と我々の思いは同じではないか。。。
その後の報道をずっとTVをつけっぱなしにして待っているのだが、 もう5時になろうとするのに、まだ速報は入ってこない。 2時か3時ごろには解放されているはずなのだが。。。 また後で、何か進展があれば書くことにしよう。(4:55PM 記)
午前0時を回ってしまった。 TV画面の上部に速報が流れることを期待しつつかなりTVを見たが、 新しい情報はなかなか入って来なかった。
毎日新聞のサイトに、23:37のニュースがある。
「カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは11日、 イラク日本人人質事件の仲介人を自称するイラク人権擁護組織代表 ミゼル・ドレイミ氏との会見を放映、 日本人3人を拉致したグループを傘下に置く武装組織指導者が 自衛隊撤退を重ねて要求、受け入れられなければ 24時間以内に人質1人を処刑すると警告したと伝えた。 武装グループは要求が受け入れられない場合、 12時間おきに別の2人も処刑すると脅しているという。 日本政府も報道内容を把握し、真意などを確認中。 ドレイミ氏がどういった人物かや武装グループとの関係など 詳細は分かっておらず、信ぴょう性は不明だ。」
その30分ほど前の朝日新聞のサイトには、 川口外相のビデオメッセージの中で、イラクの復興支援について触れ、 「自衛隊もこのために派遣されているのです」と語った部分について、 人質の家族たちから「犯人側の反感を煽る」と削除を求められたが、 外務省は削除を受け入れず、そのまま米・英で放映された、とある。 そして、 「このビデオメッセージについては、人質3人の活動などを現地に伝え、 解放を求めてきたフランスのNGO「グローバル・ウオッチ/パリ」も 同日、バグダッドの友好団体から『人質解放の扉を閉ざす危険性がある』 との警告を受け取ったことを明らかにした。」
この警告については、「戦争を語り継ぐ」サイトから入っている。
「日本政府へ、そして反戦市民、団体すべてへ アルジャジャーラにたいする川口外相の声明、外務省報道官の声明は、 拉致グループを激怒させるに充分です。 わたしたち、グローバル・ウオッチはバグダッド経由の警告を 受け取りました。(パリ時間正午12時15分) これ以上、日本政府が自衛隊派兵の正当性を主張し、 米軍と組んでイラク民衆を攻撃しようとするなら、 人質解放の扉は閉ざされる危険性があるだろう、との警告です。
『私たちは、日本政府がいっさいの無意味なアジテーションをやめ、 今回の人質解放に繋がる道を開いたのは、政府の努力ではなく 市民たちのネットワークであることを素直に認めるべきである。 拉致グループを含め、イラク民衆が望んでいるのは、 あらゆる外国の軍隊のプレザンスの退去であり、占領の早期終結です。 以上のことが尊重されないなら、 拉致された日本人の生命に万が一のことが起こった場合の あらゆる責任は日本政府にあると判断されても仕方がないでしょう』 グローバル・ウォッチ/パリ コリン・コバヤシ」
TVではこんなことはまったく報道されていない。 もしこんな事態になっているとしたら、またもやたいへん厄介な状況である。 「撤退せず」に意固地になっている政府は何を協議していることか、、、 いや、、? そういえば、さっき解散・自宅待機に入ったとか言ってたぞ?
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