さっき、午後10時20分ごろ、報道ステーションで、 イラクの人質12人が解放されたという速報が入った、が、 その中に日本人が含まれているかはまだわかっていない。
昨夜遅く、24時間以内に自衛隊が撤退しないと人質のひとりを処刑する、 さらに12時間ごとにひとりずつ処刑する、という、 昨日とは掌返したような声明が入っていた。 さらに、副外相がファルージャに来て謝罪するなどの条件が加わった。 けれどもこれは、生インタビューに出演したドレイミなる人物が、 打ち合わせにないことを突然言い出したことらしい。 アルジャジーラとしては、録画だったら真偽を確認するまでカットするが、 生放送だったためにそのまま流れてしまった。 その後、宗教指導者がテレビ出演して、その発言の信憑性はないとした。 約束を守るように呼びかけていたようだ。 それからまた情報のない状態が続いた。 とにかく、何が本当なのかわからないままで、 人質12人が解放されたという速報にも、懐疑的にならざるをえない。
危険だと言ってるのに、行くなんてバカなやつらだ、と批判する人がいるが、 私はまったく逆の意見である。 だいたい、自衛隊を送るからより危険になるので行くな、というのが無茶だ。 人道復興支援など体裁だけで、米占領政策の支持表示だけが目的なのに、 人道支援の人々の邪魔をするとは何ごとだ、と言いたいところである。 撤退させることはテロに屈することになる、などと、 威張ったことをいえるほどのことを、政府は自衛隊にさせてきたのだろうか? 折に触れて書いてきたことだが、行った以上はさっさと支援活動をしてくれ、 でないと、幻滅とともに占領軍の一味としか見てもらえなくなるぞ、 と心配していたら、今回の事件である。 やっぱり、嘘っぱちからはぼろが出やすいものである。
今回、アルジャジーラ放送局の存在を知って思うのだが、 これをもっとしっかり利用すれば、自衛隊を送らなくても 復興支援は別の形でもっと現実的にできたのではないだろうか? しかし、政府には自衛隊の派遣以外の選択肢はなかった。 派兵して占領政策の仲間入りすることが第一であって、 人道支援などは、そのための方便に過ぎなかったからである。 「テロに屈してはならない」という言葉はいかにもかっこよくて、 それに魅せられている国民も多いようだが、私には虚勢にしか聞こえない。
占領活動を重視する人たちは彼女らをバカだと罵るだろう。 支援と平和的解決を願う者は、彼女らを勇気ある人として讃える。 何とかしたいと思っても、今の生活を捨てて自ら行く勇気がない者だったら なおさらそう思う。 そして、そういう人を絶対犠牲者にしてはいけないと思って見つめている。
それにしても、米兵の死者も今までなかったほど増えている中で、 アメリカの世論に関する報道がぜんぜんないのも不思議である。
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